今のカリキュラムによる国試は,第22~37回です。
現時点(2019年7月)では,あと5回行われることになります。
さて,現在のカリキュラムによる国試を概観すると
知識だけではなく,思考する力が必要だと考えています。
思考する力は3か月の勉強で身につくものではありません。
合格するには,知識は必要です。
しかしそれは丸暗記勉強で身につくものではありません。
なぜなら,国試は同じ内容であっても,姿を変えて出題されるからです。
受験生は,参考書や過去問をベースにして勉強しています。
参考書は過去問をベースにしてつくられます。
つまり,参考書にしても過去問にしても,過去に出題されたものだということになります。
しかし試験委員は過去問ペースで問題をつくっているわけではありません。
そのため,同じ内容であっても,問題の文章が違ってくるのです。
同じ表現で出題されことは,今までの国試でもほんの数度,しかも選択肢の1つとしていくつか見られたのみです。
そのことを知っていると,意味をつかむことなく,丸暗記の知識で国試に臨むことは,とても危険であることは火を見るよりも明らかです。
丸暗記ではなくても,あるい程度道筋がついていれば,つまり大体こういうことだろうと理解することで十分です。というかそれが大切です。
もう一つ重要なことは,試験委員は,受験生に思考して答えを出すように問題を作っていることがうかがわれることです。
多くの問題はいわゆる消去法で答えをあぶり出していきます。
それが試験委員の意図です。
答えが思考することなく,答えがすぐわかるような問題はほとんどありません。
何度も受験している方が,なかなか点数が伸びないのは,知識だけで解けないことを示しています。
過去問を3回解けば合格できるよ
といったアドバイスは,半分合っていて半分間違っています。
思考することなく,ただ問題を解くだけでは,合格基準点を超える力はつかないからです。