第37回国試が終わり,第38回国試に向けてのカウントダウンが始まりました。
受験した人は,ボーダーラインが気になることでしょう。
ネットでは,おそらくさまざまな推測が出ていると思います。
しかし,問題の難易度のみでボーダーラインを決めているのかも不明です。
そして,その難易度でさえ,問題の見た目と実際の正答率には乖離があるものです。
難易度が高そうに思える問題であっても,ほかの選択肢の関連性によって正解できやすかったり,難易度が低そうに思える問題であっても,同じようにほかの選択肢との関連性によって正解できにくくなってしまいます。
問題9 エリクソン(Erikson,E.)の発達段階説における青年期の心理社会的危機として,正しいものを1つ選びなさい。
1 基本的信頼 対 基本的不信
2 同一性 対 同一性混乱
3 勤勉性 対 劣等感
4 自発性 対 差恥心
5 ジェネラティビティ 対 停滞
正解は,選択肢2ですが,同一性拡散と覚えている人は,選びにくいこと,ここに引っ掛けがあるのではないかと疑心暗鬼になるからです。
問題の根拠とするものを訳本に求めるなら。こういったことは起きません。しかし,原著に求めるなら,こういったことも起きて当然です。
さらにこの問題では,ジェネラティビティで混乱させます。
これらがダブルパンチとなり,受験生を苦しめます。
こういったことから,ボーダー予測は,参考程度にとどめておくのがよいと思います。