2025年2月19日水曜日

ICFに関するタクソノミーⅢ型の問題

 今回は,前回に引き続き,国際生活機能分類(ICF)のタクソノミーⅢ型の問題を取り上げます。


第28回・問題-57 

事例を読んで,国際生活機能分類(ICF)の「参加制約」に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 Eさん(49歳,男性)は,脳性麻痺で足が不自由なため,車いすを利用している。25年暮らした障害者支援施設を退所し1年がたつ。本日,どうしても必要な買物があるが,支援の調整が間に合わない。その場での支援が得られることを期待して,一人で出掛けた。店まで来たが,階段の前で動けずにいる。

1 脳性麻痺で足が不自由なこと

2 階段があること

3 支援なしで外出できること

4 店で買物ができないこと

5 障害者支援施設を退所したこと


この問題は,参加制約とは何かを知っていることが前提の問題です。


ただの事例問題ではなく,タクソノミーⅢ型です。


参加制約とは,「個人が何らかの生活・人生場面にかかわるときに経験する難しさ」です。


それでは解説です。


1 脳性麻痺で足が不自由なこと


脳性麻痺は「健康状態」,脳性麻痺で足が不自由なことは,「心身機能・身体構造」です。


2 階段があること


階段があることは,環境因子です。


環境因子には,促進因子と阻害因子があります。


階段があることは,阻害因子に属します。


3 支援なしで外出できること


外出することは,活動です。


支援は,環境因子です。


4 店で買物ができないこと


これが正解です。


歩くことは活動,買物は参加,買物ができないことは,参加制約です。


5 障害者支援施設を退所したこと


障害者支援施設を退所したことは,個人因子です。


環境因子と個人因子は,生活機能の背景因子です。

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