国家試験の問題は,難しそうでそれほど難しくない,簡単そうでそれほど簡単ではない。
哲学のような書き出しですが,落とし穴がたくさんあるのが,国家試験です。
簡単な問題だと言えるのは,客観的な立場で見ているから言えることです。
この時期には,問題に対してさまざまな講評が出ますが,「この問題はやさしいです」といったことを聞くととてもいやな気持ちになります。
同じように「ここは,直前対策でやったから,解けたでしょう」というのもいやな気持ちになります。
「来年,その悔しさをぶつけるとよいでしょう」という考えなのかもしれませんが,モチベーションを保ち続けるのはとても難しいものです。
国家試験で,ボーダーラインに届かない大きな理由は,勘違いなどによるミスが多発することです。
なぜ,そのようなミスが起きるのかを自分なりに考えることが,とても重要です。
国家試験には制限時間があります。
その中で,適切に問題を読むことは,はた目から見るよりもとても難しいものです。
時間を節約するために,簡単な問題は最後まで読まない,という戦術を使う人もいますが,そういった問題にも落とし穴があるものです。
また,問題構造であるタクソノミーⅠ型の問題数が減るので,そこで節約できる時間はそれほど多くないのが現実です。
地道ですが,どの問題も丁寧に読むというのが,正攻法のように思うのが,チームfukufuku21メンバーの結論です。
一事が万事
問題を読みながら,頭を切り替えるのは簡単ではないです。
第37回・問題19
次の人物のうち,英国において「福祉国家」から「小さな政府」への転換を図った首相として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ウィンストン・チャーチル(Churchill,W.)
2 クレメント・アトリー(Attlee,C.)
3 マーガレット・サッチャー(Thatcher,M.)
4 トニー・ブレア(Blair,T.)
5 ゴードン・ブラウン(Brown,G.)
この問題は,知っていれば答えられる典型的なタクソノミーⅠ型です。
文章になっていないので,読み間違いはありません。
この問題の場合は,消去できる選択肢があるので,なおのこと,正解しやすいでしょう。
しかし,多くの問題は,ちょっと知らないものを入れることで複雑にすることが多いものです。
なお,この問題の正解は,選択肢3です。
3 マーガレット・サッチャー(Thatcher,M.)