今回は,心理学のうち,記憶の種類について学んでみたいと思います。
前説なしに今日の問題です。
第29回・問題11 記憶に関する次の記述のうち,エピソード記憶の例として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 愛知県の県庁所在地は,名古屋市である。
2 幼少期に習得したピアノの曲を,大人になっても弾くことができる。
3 昨晩,近くのファーストフード店でハンバーグカレーを食べた。
4 「3-2-5-4-1」という5個の数字を聞き,「3-2-5-4-1」と反復する。
5 「12×21」という数字の掛け算を暗算で行う。
記憶の種類はたくさんあるので,覚えにくいかもしれませんが,こういった問題を確実に正解することが合格のために必要です。
それでは解説です。
1 愛知県の県庁所在地は,名古屋市である。
これは「意味記憶」です。
2 幼少期に習得したピアノの曲を,大人になっても弾くことができる。
これは「手続き記憶」です。
3 昨晩,近くのファーストフード店でハンバーグカレーを食べた。
これが「エピソード記憶」です。
4 「3-2-5-4-1」という5個の数字を聞き,「3-2-5-4-1」と反復する。
これはリハーサルです。
5 「12×21」という数字の掛け算を暗算で行う。
これはワーキングメモリ(作動記憶)です。
<今日の一言>
今日の問題の中で,間違えやすいのは,手続き記憶です。
これは,水泳や自転車に乗るなどの体で覚えた記憶のことですが,そこから手続き記憶ということばが推測できないためです。
最新の記事
成年後見人と成年被後見人の利益が相反する場合
成年後見人と成年被後見人の利益が相反する場合とは,成年被後見人が所有するものを成年後見人が購入する場合などです。 この場合,一方が有利だと,もう一方は不利になります。 任意後見制度の場合は,任意後見監督人が選任されているので,利益相反する場合には,任意後見監督人が本人を代表します...
過去一週間でよく読まれている記事
-
ホリスが提唱した「心理社会的アプローチ」は,「状況の中の人」という概念を用いて,クライエントの課題解決を図るものです。 その時に用いられるのがコミュニケーションです。 コミュニケーションを通してかかわっていくのが特徴です。 いかにも精神分析学に影響を受けている心理社会的ア...
-
ソーシャルワークは,ケースワーク,グループワーク,コミュニティワークとして発展していきます。 その統合化のきっかけとなったのは,1929年のミルフォード会議報告書です。 その後,全体像をとらえる視座から問題解決に向けたジェネラリスト・アプローチが生まれます。そしてシステム...
-
イギリスCOSを起源とするケースワークは,アメリカで発展していきます。 1920年代にペンシルバニア州のミルフォードで,様々な団体が集まり,ケースワークについて毎年会議を行いました。この会議は通称「ミルフォード会議」と呼ばれます。 1929年に,会議のまとめとして「ミルフ...
-
問題解決アプローチは,「ケースワークは死んだ」と述べたパールマンが提唱したものです。 問題解決アプローチとは, クライエント自身が問題解決者であると捉え,問題を解決できるように援助する方法です。 このアプローチで重要なのは,「ワーカビリティ」という概念です。 ワー...
-
システム理論は,「人と環境」を一体のものとしてとらえます。 それをさらにすすめたと言えるのが,「生活モデル」です。 エコロジカルアプローチを提唱したジャーメインとギッターマンが,エコロジカル(生態学)の視点をソーシャルワークに導入したものです。 生活モデルでは,クライエントの...
-
今回から,質的調査のデータの整理と分析を取り上げます。 特にしっかり押さえておきたいのは,KJ法とグラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)です。 どちらもとてもよく似たまとめ方をします。特徴は,最初に分析軸はもたないことです。 KJ法 川喜多二郎(かわきた・...
-
人は,一人で存在するものではなく,環境の中で生きています。 人と環境を一体のものとしてとらえるのが「システム理論」です。 人は環境に影響を受けて,人は環境に影響を与えます。 人⇔環境 この双方向性を「交互作用」と言います。 多くのソーシャルワークの理論家が「人...
-
様々なアプローチが第31回国試までに出題された回数を整理すると以下のようになります。 アプローチ名 出題回数 ・心理社会的アプローチ 9 ・機能的アプローチ 4 ・問題解決アプローチ ...
-
1990年(平成2年)の通称「福祉関係八法改正」は,「老人福祉法等の一部を改正する法律」によって,老人福祉法を含む法律を改正したことをいいます。 1989年(平成元年)に今後10年間の高齢者施策の数値目標が掲げたゴールドプランを推進するために改正されたものです。 主だった...
-
解決志向アプローチは,クライエントとワーカーの対話を通して,解決した未来を描くものです。 ワーカーは,クライエントの語りを傾聴し,クライエントに教えてもらうという姿勢で面接していきます。 その時に用いられるのが質問の技法です。 ワーカーは,クライエントに質問を投げかけ...