国家試験では,毎年,さまざまな白書や報告書から出題されます。
国家試験を実際に受験すると,「勉強していなかった」という思いをします。
受験対策の先生は,「〇〇白書に目を通しましょう」と言います。
しかし,目を通したくらいで覚えることはできないのが現実です。
「〇〇白書」から出題されると,受験対策の講師は「やっぱり出ましたね」と言います。
受験対策の先生は,その分野のプロです。毎年見ているので,目を通すくらいで頭に入ると思いますが,私たちはそうではありません。
もし,アドバイスするなら,「〇〇白書の△△について,このように注意しましょう」と言ってもらいたいものです。
考え方は,人それぞれだと思いますが,私たちチームfukufuku21では,白書や報告書に目を通す時間があるなら,参考書に書かれているものをしっかり覚えたほうが点数に結び付きやすいと考えています。
分厚い白書類に目を通しても,そこから出題されるのはたった一問です。
その一問が合格につながると言えばそうなのかもしれませんが,かなり非効率的であると言えるでしょう。
さて,今日の問題です。
第29回・問題18 「平成27年版高齢社会白書」(内閣府)に基づく一人暮らし高齢者の意識に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 子供の有無に関わらず,半数以上の男性が,日常のちょっとした用事のことで人に頼りたいとは思わないと回答している。
2 「とても幸せ」と回答した一人暮らしの高齢者の比率は,男女で差がない。
3 子供のいない男性の半数は,病気などの時に看護や世話を介護サービスの人に頼りたいと回答している。
4 「毎日会話をしている人」の「現在の楽しみ」(複数回答)では,「仲間とのおしゃべり」が「テレビ・ラジオ」を上回っている。
5 孤独死を身近に感じるかについて,「とても感じる」と回答した人の比率は,約25%である。
(注) 「仲間とのおしゃべり」とは,「仲間と集まったり,おしゃべりをすることや親しい友人,同じ趣味の人との交際」を指す。
この問題を正解できた人でも,自信を持って答えられた人はそれほど多くはなかったと思います。
それはそれでよいです。
深く考えても,答えを知らなければ答えは出ないので,消去できるものは消去して,残ったものから答えを選ぶのが賢いやり方です。
消去できそうなものは,選択肢5です。
5 孤独死を身近に感じるかについて,「とても感じる」と回答した人の比率は,約25%である。
具体的な数字は,数字を入れ替えることで間違い選択肢にできます。
次に間違いっぽい確率が高いのは,解答テクニックではないですが,選択肢2でしょう。
「差がない」というのが怪しいです。
残るは,
1 子供の有無に関わらず,半数以上の男性が,日常のちょっとした用事のことで人に頼りたいとは思わないと回答している。
3 子供のいない男性の半数は,病気などの時に看護や世話を介護サービスの人に頼りたいと回答している。
4 「毎日会話をしている人」の「現在の楽しみ」(複数回答)では,「仲間とのおしゃべり」が「テレビ・ラジオ」を上回っている。
これらはどれもそれっぽいです。
正解は,選択肢1
1 子供の有無に関わらず,半数以上の男性が,日常のちょっとした用事のことで人に頼りたいとは思わないと回答している。
これが難しいのは,これが男性ではなく女性なら正解であったことです。
そんなことから
男性ならもしかするとこれを正しいと思えたかもしれません。
しかし,女性の場合は,正しいと思えなかったかもしれません。
それでも2つの選択肢を消去できたら,正解する確率は3分の1まで高まります。