合格発表は,3月15日前後にあります。
合格基準点にギリギリ気でも到達すれば合格できて,1点でも下回れば不合格になります。
国家試験を実施する「社会福祉振興・試験センター」では,受験者の得点分布は発表しませんが,数点差で不合格になる人は,かなりの数に上るのではないかと思います。
1点の重みを感じます。
近年の国家試験の結果を見て,試験センターが目指しているのは,受験者の上位30%が90点以上の点数を取れる試験だということがわかります。
もともと合格する気がなく,受験している人もいると思いますので,実質的な合格率はもう少し高くなるとは思いますが,それでも50%程度でしょう。
国家試験に合格するために必要なのは,正解しなければならない問題は,極力ミスしないことです。
どれだけ勉強しても,知らない問題は出題されます。
合格するのに必要なのは,そういった問題で正解することよりも,多くのことが正解することができる問題は確実に正解することです。
それでは,今日の問題です。
第29回・問題29 「平成27年版厚生労働白書」における日本の人口動向に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 「夫婦の完結出生児数」は,2010年(平成22年)に2.0人を割り込んだ。
2 人口増加率は,2011年(平成23年)からプラスで推移している。
3 生産年齢人口の割合は,1992年(平成4年)から横ばいで推移している。
4 30歳代後半の男性雇用労働者について,配偶者のいる割合をみると,2012年(平成24年)時点で,正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間に差はない。
5 50歳時点での未婚率は,2010年(平成22年)時点で,男性より女性の方が高い。
こういった問題を目にすると,厚生労働白書をしっかり覚えなければならないか,と気が遠くなる人もいるでしょう。
しかし,冷静に読んでみると,消去できそうな選択肢もあります。
この中で,注意すべきものは,50歳児未婚率は,女性よりも男性の方が高いということです。
一般イメージでは,女性が結婚しなくなった,という思う人も多いですが,実際は違うところがこの問題のポイントとなります。
勉強した人とそうでない人の差がつくところでしょう。
50歳時未婚率は,参考書には必ず載っています。
この問題の正解は,
1 「夫婦の完結出生児数」は,2010年(平成22年)に2.0人を割り込んだ。
夫婦の完結出生児数とは,夫婦の子どもの数の平均です,
この数字を事前に勉強していた人はほとんどいなかったものと思います。
厚生労働白書に目を通したところで,細かいところを覚えていることは難しいと思います。
2 人口増加率は,2011年(平成23年)からプラスで推移している。
3 生産年齢人口の割合は,1992年(平成4年)から横ばいで推移している。
4 30歳代後半の男性雇用労働者について,配偶者のいる割合をみると,2012年(平成24年)時点で,正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間に差はない。
これらは,何とか消去できるでしょう。
選択肢5を消去できれば,選択肢1が残ります。
地道に勉強することは,国試で選択肢を一つでも多く消去できることになります。
そうすれぱ,今日の問題のように,正解できる確率が上がります。