社会福祉士の国家試験で怖いのは,平常心を忘れてしまうことです。
この当たり前のことができなくなるのが本当に怖いです。
受験生みんなが実力通りに力を発揮してしまうと,合格基準点(いわゆるボーダーライン)が上がってしまうので,これはこれで致し方ないでしょう。
それでは,早速今日の問題です。
第28回・問題110 相談援助の方法の一つであるケアマネジメントにおけるケアプラン作成の基本原則に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 フォーマルサービスを主に活用して作成する。
2 費用負担の調整は,作成後に行う。
3 アセスメントに基づいて設定した目標に即して作成する。
4 クライエントや家族の要望どおりに作成する。
5 専門職が連携して最終段階まで練り上げてから,クライエントと家族の同意を得る。
この問題を見て,「ケアプラン作成の基本原則って何だ?」と思って,調べようとする人は要注意です。
国家試験では調べられないからです。
ケアマネジメントを行っている人も「私はケアマネジメントを行っているが,それは基本原則ではないかもしれない」と思うのも危険です。
もしかすると,「ケアマネジメントの基本原則」という有名なものがあるのかもしれませんが,そんなものを知らなくても,この問題は解けます。
再度言います。
社会福祉士の国家試験で怖いのは,平常心を忘れてしまうことです。
過去問を解くときは,少々わからないことがあっても,だいだいわかるようならそれでよいです。
国家試験会場では,調べられないし,誰にも聞くことができません。
改めて,問題を見てみましょう。
1 フォーマルサービスを主に活用して作成する。
2 費用負担の調整は,作成後に行う。
3 アセスメントに基づいて設定した目標に即して作成する。
4 クライエントや家族の要望どおりに作成する。
5 専門職が連携して最終段階まで練り上げてから,クライエントと家族の同意を得る。
落ち着いて読むことができれば,答えは見えてくるはずです。
3 アセスメントに基づいて設定した目標に即して作成する。
プランニングのことを述べているものです。
それ以外はあり得ません。
<今日の一言>
覚えたものがそのまま国試で生かされるなら,実践力がなくても記憶力に優れている人が有利です。
確かに,過去の経験に当てはめることにより,ある程度の実践は可能でしょう。
しかし,現実にはそんなマニュアル通りにいかないこともあります。
その時に必要なのは,今までの経験をもとにして,さまざまなことを工夫して対応することです。
特に対人援助職は,その時間を止めて,誰かに聞きに行くことができません。
しかもソーシャルワーカーは,施設で一人ということもあります。
その時に,機転が利かないワーカーだったらどうなりますか?
そんなワーカーをクライエントは求めていません。
国家試験は,それができるワーカーふるいにかけているとも言えます。
もし,国試で思ったような点数が取れなかったという人は,普段のことを思い起こしてみてください。
おそらく日常業務の中では,普通にそれができていることでしょう。
もし現実の中でも平常心を失う傾向があるとしたら,それを克服することも必要かもしれません。