今回は,スーパービジョンを取り上げます。
第22回国試以降では,ほぼ毎回出題されています。
近接領域であるコンサルテーションを含めると出題されなかったことはありません。
つまり過去問を見ると必ず目にするものです。
スーパービジョンの出題ポイントは,以下の2つにほぼ集約されます。
スーパービジョンの機能 |
スーパービジョンの形態 |
・教育的機能 ・支持的機能 ・管理的機能
|
・個別スーパービジョン ・グループスーパービジョン ・ライブスーパービジョン ・ピアスーパービジョン ・セルフスーパービジョン |
それぞれを説明できますか?
スーパービジョンの機能
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/06/blog-post_6.html
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/06/blog-post_7.html
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/06/blog-post_8.html
スーパービジョンの種類
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/06/blog-post_11.html https://fukufuku21.blogspot.com/2019/06/blog-post_12.html
国家試験の合格は,正しい勉強を続けていけば必ず合格できます。
正しい勉強とは,勉強量(つまり勉強時間)ではなく,勉強の質(つまり覚え方)です。
時間をかけて勉強しても,覚え方をミスすると得点力につながりません。
覚え方のミスとは,丸暗記することです。
時間がかかるばかりか,適切なアウトプットができない恐れもあります。
そうならないためには,本当は福祉の勉強をしたことのない人にわかりやすく説明すると良いです。
しかし,それでは付き合ってくれる人がいないとできませんし,そんな人がいたとしても出題範囲が広い社会福祉士・精神保健福祉士の国試の内容すべてに付き合ってもらうわけにはいかないでしょう。
そこで,自分の中で,自分に対して説明するようにします。説明する時に「たとえば」といった例示がいできるようになれば完璧です。
現時点(2021年2月)時点の直近の国家試験で,出題された問題です。
第33回・問題114 次のうち,複数のスーパーバイジーがスーパーバイザーの同席なしに行うスーパービジョンの形態として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ピア・スーパービジョン
2 グループ・スーパービジョン
3 ライブ・スーパービジョン
4 個人スーパービジョン
5 セルフ・スーパービジョン
再受験を目指す人に聞きます。
この問題を正解することができましたか?
スーパービジョンの形態を正しく理解していれば,何のためらいもなく,
1 ピア・スーパービジョン
を選べるはずです。
もし間違っていたとすると,覚え方のミスマッチが起きていたと考えられます。
即刻,覚え方を見直しましょう。
学習戦略を立て直すときのポイント
https://fukufuku21.blogspot.com/2021/02/blog-post_16.html
それでは,今日の問題です。
第28回・問題116 スーパービジョンに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 ソーシャルワークの実践に必要な知識,技術,価値を伝授することは教育的機能である。
2 スーパーバイザーとスーパーバイジーの責任の範囲などを決める契約は,スーパービジョンの展開における終結の時点で行う。
3 共感的な理解や受容を通して,ソーシャルワーカーを精神的に支える機能は管理的機能である。
4 スーパーバイザーは,スーパーバイジーから専門職としてさらに成長していくようにスーパービジョンを受ける。
5 個々のソーシャルワーカーの力量や状況に見合った業務の割当てを行い,適正な業務となるよう調整することは支持的機能である。
この問題は,スーパービジョンの機能に関する出題です。
社会福祉士で出題されるスーパービジョンは3つしかないので,5つの選択肢を埋めるためには,ほかの2つが必要です。
今までの国家試験で,ほかのものが正解になったものとして「パラレルプロセス」があります。
今までに2回出題されています。これも合わせて覚えておきたいです。
パラレルプロセスに関する記事
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/06/blog-post_10.html
https://fukufuku21.blogspot.com/2017/07/blog-post_20.html
さて,今日の問題の解説です。
1 ソーシャルワークの実践に必要な知識,技術,価値を伝授することは教育的機能である。
これが正解です。
何のひねりも引っ掛けもないものですが,国家試験ではそんなに簡単には思えないのが怖いところです。
なので,丸暗記勉強は不適切なのです。
2 スーパーバイザーとスーパーバイジーの責任の範囲などを決める契約は,スーパービジョンの展開における終結の時点で行う。
これと同じ内容の出題があります。
第31回・問題115
2 スーパービジョンの契約は,スーパービジョンの展開過程の終結段階で行われる。
いずれも当然誤りです。
3 共感的な理解や受容を通して,ソーシャルワーカーを精神的に支える機能は管理的機能である。
これは,指示的機能のことを述べたものです。
4 スーパーバイザーは,スーパーバイジーから専門職としてさらに成長していくようにスーパービジョンを受ける。
スーパーバイザーとスーパーバイジーを混同させる問題は,これまでに幾度も出題されています。
こんなものに引っ掛かる人がいるのか,と思う人は要注意です。
見事に引っ掛かります。
なぜ引っ掛かるかと言えば,漢字と異なり,カタカナは文字に意味のない表音文字だからです。
そのために読み間違いが起きます。
特に
スーパーバイザー
スーパーバイジー
はたった一文字違いです。国家試験の緊張した中ではびっくりするような読み間違いが起きます。
それが国試の怖いところです。
5 個々のソーシャルワーカーの力量や状況に見合った業務の割当てを行い,適正な業務となるよう調整することは支持的機能である。
これは,管理的機能のことを述べたものです。
<今日の一言>
今回は,スーパービジョンを取り上げました。
そんなに難しくないよ,と思う人は要注意です。
どんな問題にも落とし穴があります。
どんなに勉強しても,エラーは起きます。
エラーを極力起こさないように,チームfukufuku21と国試突破を目指して頑張っていきましょう。
道は決して平たんではないかもしれませんが,すべての人に道は開かれています。