社会福祉士の国試に合格するためには,合格基準点を1点でも上回ることが必要です。
今さらですが,その合格基準点とは,150点満点のうち,6割程度です。
6割とは90点ですが,90点が合格基準点ではなく,問題の難易度によって上下するのが難点です。
しかし,このシステムは,実は受験者にとってとても有難いことです。
というのは,国家試験は問題の難易度が年度によって異なるため。合格基準点を90点に固定してしまうと,年度によって不公平が生じてしまうからです。
受験生にとって合格基準点が明確でないのはとても辛いことですが,年度間の公平さを担保するためには,受け入れなければならないことだと思います。
それでは今日の問題です。
第28回・問題112 相談援助における社会資源に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 社会資源の使用目的は,クライエントのニーズを充足させることである。
2 社会資源とは,施設・設備,資金・物品などの有形のものをいう。
3 社会資源の供給主体には,インフォーマルなセクターは含まれない。
4 社会資源には,ソーシャルワーカーの専門的能力は含まれない。
5 社会資源の開発は,生活上のニーズを満たせない個別的なクライエントに対して行われるものであり,一定のクライエント層に対しては行われない。
この中で絶対に正解にならないだろうと思うのは,選択肢5でしょう。
このスタイルの文章の選択肢は,ほぼ正解にはならないからです。
意味を考える前に消去できます。
意味を考えると,一定のクライエント層とは何を指しているのか不明確であることがわかります。
不明確なものが正解になることはあり得ません。
正解は,選択肢1です。
1 社会資源の使用目的は,クライエントのニーズを充足させることである。
何のひねりもありません。
<今日の一言>
国家試験問題は,多くの人が思うほど意地悪ではありません。
それを変に勘繰ると,素直に考えることができなくなり間違える要因となります。
素直に考えることが実は大切なのです。