経営ビジョンと聞くと,現場職員にとって関係ない,と思う人も多いかもしれません。
しかし,遠いものではなく,すべて現場に関係しています。
それでは,今日の問題です。
第28回・問題120 経営に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 ミッションは,経営戦略という意味である。
2 経営理念について,現場の職員が知っている必要はない。
3 経営理念を,日常の経営上考慮する必要はない。
4 経営戦略を立てる際には,内部組織の強みや弱みを検討する必要はない。
5 経営目標は,経営理念に沿って示されねばならない。
第28回国試をずっと取り上げていますが,近年では第28回国試の問題が最も下手なつくり方をしているように思います。
この問題では,選択肢2・3・4は,何も考えなくても消去できてしまいます。
残るは,以下の2つです。
1 ミッションは,経営戦略という意味である。
5 経営目標は,経営理念に沿って示されねばならない。
ミッションの日本語訳がわからなくても,例えば,映画「ミッションインポッシブル」を聞いたことがあれば,そこに経営戦略をあてはめてみるとおかしなことになることはわかりそうです。
「不可能な経営戦略」となってしまいます。
とても映画になりそうもないテーマだと思いませんか?
ミッションは,使命,任務と訳されます。
ということで正解は,
5 経営目標は,経営理念に沿って示されねばならない。
ということになります。
一応そのほかの選択肢も確認します。
2 経営理念について,現場の職員が知っている必要はない。
3 経営理念を,日常の経営上考慮する必要はない。
4 経営戦略を立てる際には,内部組織の強みや弱みを検討する必要はない。
第28回国試がくだらない選択肢が増えてしまった理由は,正しい文章を正しくない文章にしたからです。
もともとの文章は,それぞれ以下のようになります。
2 経営理念について,現場の職員が知っている必要がある。
3 経営理念を,日常の経営上考慮する必要がある。
4 経営戦略を立てる際には,内部組織の強みや弱みを検討する必要がある。
何て手抜きの問題だと思いませんか?
こういったところに気がつくことができれば,確実に得点力は増します。
<今日の一言>
今日の問題でも,一定数の人は,選択肢2・3・4を選んだ人がいると思います。
激動する今の時代,経営を意識しない福祉実践はあり得ません。