人口ボーナスという用語を聞いたことがあるでしょうか。
国家試験ではたった1回しか出題されたことがありませんが,いきなり正解となったものです。
人口ボーナスとは,総人口に占める生産年齢人口(15~64歳人口)が増加していき,労働力が豊富で,経済活動が活発となる状態を指します。
この逆の状態は人口オーナスといいます。
それでは,今日の問題です。
第31回・問題18 人口に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 人口転換とは,「多産多死」から「少産多死」を経て「少産少死」への人口動態の転換を指す。
2 世界人口は,国連の予測では,2020年以降減少すると推計されている。
3 第二次世界大戦後の世界人口の増加は,主に先進諸国の人口増加によるものである。
4 日本の人口は,高度経済成長期以降,減少が続いている。
5 人口ボーナスとは,人口の年齢構成が経済にとってプラスに作用することをいう。
正解は,選択肢5です。
5 人口ボーナスとは,人口の年齢構成が経済にとってプラスに作用することをいう。
先に書いたように,国家試験では現時点ではこの時の1回しか出題されたことはありませんが。旧カリのテキストでも新カリのテキストでも記載があるので,覚えておきたいです。
ほかの選択肢も解説します。
1 人口転換とは,「多産多死」から「少産多死」を経て「少産少死」への人口動態の転換を指す。
人口転換とは
多産多死(出生率が高いが,死亡率も高い状態)
↓↓
多産少死(出生率が高く,死亡率が低い状態)
↓↓
少産少死(出生率が低く,死亡率も低い状態)
という人口動態の転換プロセスのことです。
2 世界人口は,国連の予測では,2020年以降減少すると推計されている。
世界人口は,2020年代も増加しています。この増加はまだまだ続きます。
3 第二次世界大戦後の世界人口の増加は,主に先進諸国の人口増加によるものである。
世界人口の増加の要因は,主に発展途上国の人口増加によるものです。
4 日本の人口は,高度経済成長期以降,減少が続いている。
日本の合計特殊出生率は,第二次ベビーブーム後の高度経済成長以降,減少傾向にあります。
しかし,人口が減少に転じたのは,2008年(平成20年)のことです。
出生率が低下してから実際に人口が減少するまではこのようにタイムラグか生じます。
その逆に,出生率が上昇し始めても人口が増加するまでにもタイムラグが生じます。