現行カリキュラムは第22回から実施されています。第31回が10回目の節目となります。
果たしてどんな試験になることでしょう。
さて,第22回の国試は,現行カリキュラムでは,このように出題しますよ,ということを明確にしたものです。
もちろん,現在と同じように出題基準が提示されていましたが,実際にはどんな問題が出題されるのかは,実施されるまで分かりません。
実は科目ごとの問題数は,現在も示されたことはありませんが,何問ずつの出題なるかも第22回国試の実施前には分からない状態でした。
それでも,参考書を発行している会社は,旧カリキュラム時代に出来された問題を分析し,見事おおかた的中させています。
第22回国試問題は,奇をてらうことなく,出題基準どおりに出題したからです。
そのため,この国試問題は,その後の国試に大きな影響を与えています。
つまり第22回国試が現行カリキュラムの基本形なのです。
例えば,こんな問題があります。
第22回・問題47
市町村が策定主体と定められた福祉に関する計画についての次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 市町村は,障害者基本法に基づき,市町村障害者計画を策定しなければならないが,特に計画期間の定めは置かれていない。
2 市町村は,社会福祉法において,5年を一期とする地域福祉計画を策定しなければならないとされている。
3 市町村は,次世代育成支援対策推進法において,3年を一期とする次世代育成支援行動計画を策定するものとするとされている。
4 市町村は,老人福祉法において,5年を一期とする老人福祉計画を作成するものとされている。
5 市町村は,介護保険法において,1年を一期とする介護保険事業計画を定めるもとするとされている。
これを見て,ぴんと来た人もいることでしょう。
第30回は,形を変えて,以下のように出題されました。
第30回・問題47
次の福祉計画のうち,現行法上の計画期間が5年を一期とするものを1つ選びなさい。
1 市町村介護保険事業計画
2 市町村老人福祉計画
3 市町村障害福祉計画
4 市町村子ども・子育て支援事業計画
5 市町村地域福祉計画
時代に合わせて,次世代育成支援行動計画が,子ども・子育て支援事業計画に変わっているくらいの違いです。
実は,策定期間に関する出題がまるごとあったのは,このほかに以下の第26回も含めてたった3回しかありません。
第26回・問題48
都道府県が策定する福祉計画等の計画期間に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 次世代育成支援に関する都道府県行動計画は,3年を一期として定めるものとされている。
2 都道府県介護保険事業支援計画は,3年を一期として定めるものとされている。
3 都道府県健康増進計画は,3年を一期として定めるものとされている。
4 都道府県高齢者居住安定確保計画は,3年を一期として定めるものとされている。
5 都道府県地域福祉支援計画は,3年を一期として定めるものとされている。
実は,この第26回の問題があったからこそ,チームfukufuku21は,ケアしてもらえるように,覚え方のコツを以下のようにお知らせしたのです。
行政計画の基本は,策定期間がないか,あるいは5年を1期です。
3年を1期とするものは,介護保険事業計画と障害福祉計画しかありません。
医療計画は,平成30年から従来の5年を1期とするものから,6年を1期に変更されています。
これは2025年に向けての対策です。2018年は,いろいろな行政計画がそろう年ですが,5年を1期のままだと,介護保険事業計画と医療計画がそろうのは15年先になりますが,6年にすると6年先にそろいます。そうすると2025年の前にもう一度大きな見直しを行うことができるのです。
2025年に向けて国の本気度がよく分かることでしょう。
なお,策定期間が一問まるごと出題されることは,しばらくはないはずです。
社会福祉士の国試は,過去問に出題された範囲から8割は出題されます。
そうでないと,国試で点数を取ることが難しいからです。
しかし,この場合の過去問というのは,直近3年間ではないということだけは銘記しておいていただきたいと思います。
ほんとうは,過去問すべてを使って,解説すれば最も効果的です。
なぜなら,国試問題は,少しずつ同じで少しずつ違いますが,過去問をずっと追っていくことで,ずれている部分が重なり合うからです。
もしそういう教材を提供してくれる学校もあると思います。それは徹底的に活用しましょう。
次に参考となるのが,第27回国試問題です。
ここに第31回のヒントが満載となっています。
合格発表後から,来年に向けた本格スタートを切りたいと思っています。
昨年,第26回国試問題を取り上げたように,今年は第27回国試問題を切り口として,解説と対策を紹介していきたいと思います。
直近3回の問題を中心に勉強するよりも何倍も知識の差がつくはずです。
第30回国試の内容からももちろん第31回に出題されるものはあります。
しかしそれはほんの数問です。
第30回国試問題を解くのは,内容を覚えることよりも,国試問題に慣れる意味の方が大きいです。
<今日の一言>
過去3年間の過去問を3回解いて合格できる国試なら,もっと多くの人が合格しても良いはずです。
そうならないのは,国試は少しずつ同じで,少しずつ違うからです。
直近3年間の国試問題からも繰り返し出題されるものもあります。しかしそれは5つの選択肢がある中のわずか1つか2つです。
それだけの知識では,合格基準点(いわゆるボーダーライン)を上回る得点を取ることはできません。
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