2018年3月16日金曜日

第30回国試の合格発表を終えて~第31回国試への影響について

第31回国試の合格発表がありました。

合格基準点(いわゆるボーダーライン)は,99点という過去にはないものとなりました。

これまでの最高点は,第15回の91点です。

しかし,この時は4問も不適切問題があり,実質は87点だったと考えられます。

不適切問題がなくて最高点なのは,第27回の88点です。

今回の結果は2つのことが考えられます。

①記念受験組の減少
第29回の受験者は45,828名。第30回は43,937名です。受験料が大幅に上がったことで,あまり勉強しないで受験するいわゆる記念受験組,そしてリベンジ組が受験を控えたことで受験者数が減ったと考えられます。そのために,受験者の多くは,実力者ぞろいになったと考えられます。たら,ればで言うと,受験者が昨年並みだったとすれば,合格基準点は95点前後になっていたのではないでしょうか。

②合格率の安定化
旧カリキュラム時代の国試の合格率は,30%程度を保っていました。現行カリキュラムになってからは,問題が解きにくくなり,30%に届くことはなくなり,合格率が最も高かったのは,第26回の27.5%にとどまっています。第29回は25.8%にまで低下しています。

これらから考えられるのは,社会福祉士の国試は,合格基準点は90点程度,合格率は30%程度を基本にしているのではないか,ということです。

近年は国試問題の文字数を少なくすることで,解きやすい問題づくりを図ってきていました。しかしそれでも思うような成果は得られず,選択肢の内容を工夫してきました。今までは間違い選択肢の中には,まったくのでたらめの文章を挟み込んでいましたが,今年はそれがほとんど見られません。

それによって,しっかり勉強してきた人は高得点が取れたことと思います。

そこに記念受験組の減少という要因が重なって,意図以上に高得点に偏ったものと考えられます。

第31回国試を考えます。

国試が30%程度,90点程度を目指すのは,今まで通りだと思います。

それを前提に考えると,今年とは違ったものとなることでしょう。

確実に難易度は上がります。

とても厳しいものとなることは確実です。

大きな動きがあった次の年は,必ず揺り戻しがあります。

第31回国試を初めて受験する予定の方で,第30回国試問題を解いた方もいらっしゃることでしょう。

勉強があまり進んでいなくても80点台が取れたという方もいるでしょう。

第31回は確実に難しくなります。

今年取れたということで安心しないで,しっかり勉強をすることが大切です。

勉強したことは得点できる。
勉強が足りない人は得点できない。

こんな試験になるのは間違いないです。

国試はいつも難しい

ここを間違えると大変なことになります。

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