2018年3月21日水曜日

国試に合格する勉強法~どんなに勉強しても知らないものは出題される!!

社会福祉士の国家試験が難しいのは,どんなに勉強しても,教科書に書かれていないものが出題されることです。

国試で得点するには?

①基礎的知識をつける。
②確実な知識にする。
③知らないものでも対処できる。

の3点があります。

しかし,多くの人は①基礎的知識をつけるが中心となり,②確実な知識にする。③知らないものでも対処できる。がおろそかになりがちのようです。

まず②についてです。

社会福祉士は,科目数が19科目もあって,とても多そうに見えます。

しかし科目数は多いですが,基本は社会福祉学に収れんされます。もっと広く言えば社会学です。

それを対象別(低所得者,障害者,高齢者など)に分けたり,アプローチ法(心理的理解,医学的理解,調査分析など)で分けたり,しています。つまり19科目に細分化されていますが,根底に流れるものは共通であり,希求するものは,ニーズ充足です。そこを意識していけば,科目が違ってもつなかりが感じられます。特に重要なのは,国,都道府県,市町村の役割です。整理していけば,共通点が見えてきます。

③についてです。

点数に差をつけやすいのは,この手のタイプの出題をすることです。
何度も受験している方は,いつも数点差で不合格になっているのではないでしょう。

国試に突破するためには,③知らないものでも対処できる。を特に強化する必要があると考えています。

さて,それを踏まえて,今日の問題です。

第27回・問題4 多発性脳梗塞に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 アルツハイマー型認知症に特異な病態である。
2 嚥下障害はない。
3 情動失禁はない。
4 パーキンソン症候群の原因になる。
5 振戦せん妄が認められる。

多発性脳梗塞は,この時初めて出題されました。一問まるごとの出題なので,「分からない,困った,どうしよう」ではどうにもなりません。
このような時は,日本語的に考えることが必要です。
脳梗塞がたくさん起きるものだろう,と想像します。
それでは,詳しく見ていきましょう。

1 アルツハイマー型認知症に特異な病態である。

脳梗塞に関連するのは,血管性認知症だと想像です。アルツハイマー型認知症ではありません。よって間違いです。

2 嚥下障害はない。

脳梗塞なのですから,どこかに障害が起きそうだ,と想像できそうです。もちろん間違いです。

3 情動失禁はない。

情動失禁が特徴的な認知症と言えば,血管性認知症です。これは過去に何度も出題されています。これが分かれば情動失禁がありそうだ,と想像できそうです。もちろん情動失禁はなります。よって間違いです。

4 パーキンソン症候群の原因になる。

パーキンソンと言えば,レビー小体型認知症の特徴です。そのため,×をつけがちだと思います。しかし,これを×にしてしまうと,正解がなくなります。

5 振戦せん妄が認められる。

振戦せん妄は,アルコール依存症に見られます。

さて,最後まで解いたところで,すべてが×になりました。

実は,このような事態は国試ではよくあります。

このような時には,知識ではどうにもならないので,消去できる可能性の高さを比べてみます。

確実に消去できそうなのは,1と2と3と5です。

絞り出すように4が残ります。

脳血管障害性パーキンソニズムは、脳梗塞や脳卒中などの脳の血管障害が原因で、パーキンソン病の症状が現れる病気です。

ということで4が正解です。

〈今日の一言〉

今なら参考書にも載っているので,簡単そうに見える問題かもしれませんが,この時受験した人にとって,ものすごく難しい問題だったと思います。

こういう問題に対処するのは,とても大変なことだと思います。

だからこそ,模擬試験などで体験することが必要です。

脳のトレーニングが必要だからです。

学習計画には,模擬試験受験を組み込みましょう。

参考書を読んでいるだけでは,絶対に

③知らないものでも対処できる。

はつかないことを断言しておきます。

国試突破には,

①基礎的知識をつける。

は,必要条件です。しかし必要十分条件ではありません。

②確実な知識にする。
③知らないものでも対処できる。

この2つがプラスされてこそ,国試を突破することができます。

再受験を目指す方は,ぜひ自分の勉強法を見直して,国試突破力をつけていきましょう。

チームfukufuku21は,その手掛かりになるものをお伝えしていきます。

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