共通科目は精神保健福祉士も受験する科目です。
専門科目は,社会福祉士のみが受験する科目です。
社会福祉士と精神保健福祉士の2つの資格を一緒に受験する場合のスケジュール
土曜日の午後 精神保健福祉士の専門科目
日曜日の午前 共通科目
日曜日の午後 社会福祉士の専門科目
このようになっています。
人体の構造と機能及び疾病は精神保健福祉士も受験するため,精神疾患に関する出題の出題頻度はかなり高くなっています。発達障害を含めると毎年必ず出題されています。絶対に押さえておかなければなりません。
第22回 DSM-Ⅳ(現在の精神疾患の診断・統計マニュアル第5版=DSM-5の一つ前のバージョン)
第23回 発達障害
第24回 精神障害 単極性うつ病の2問
第25回 大うつ病エピソード(大うつ病=うつ病の中でも典型的な症状のあるうつ病の診断名)
第26回 発達障害
第27回 統合失調症
第28回 躁病エピソード ※エピソードは症状のこと。
第29回 DSM-5
第30回 統合失調症
統合失調症,うつ病,躁病,発達障害,DSMが2回ずつ出題されています。
それでは,今日の問題です。
第27回・問題6 精神疾患の診断・統計マニュアルDSM-IVに基づく統合失調症の診断に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 妄想や幻覚は,陰性症状である。
2 まとまりのない会話あるいは発語は,症状の一つである。
3 症状は,発症から2週間で消失する。
4 仕事,対人関係,自己管理などの面での機能が低下することはない。
5 原因として,乱用薬物の摂取がある。
バージョンは,DSM-5に変わっていますが,統合失調症の診断は変わっていません。
診断基準は,(1)妄想,(2)幻覚,(3)まとまりのない発語,(4)ひどくまとまりのない,または緊張病性の行動,(5)陰性症状(感情の平板化,意欲欠如など)です。
それでは詳しく見ていきましょう。
1 妄想や幻覚は,陰性症状である。
統合失調症には,妄想,幻視などの陽性症状,意欲低下などの陰性症状があります。妄想・幻覚は陽性症状です。よって間違いです。
2 まとまりのない会話あるいは発語は,症状の一つである。
これが正解です。
第30回に出題されましたね。
第30回・問題6 精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)において,「統合失調症」と診断するための5つの症状に含まれているものはどれか。正しいものを1つ選びなさい。
1 まとまりのない発語
2 観念奔逸
3 強迫行為
4 抑うつ気分
5 不眠または過眠
1が正解です。
3 症状は,発症から2週間で消失する。
6か月間症状が持続することで診断されます。よって間違いです。
4 仕事,対人関係,自己管理などの面での機能が低下することはない。
意欲低下は,陰性症状です。よって間違いです。
5 原因として,乱用薬物の摂取がある。
統合失調症は,環境因子などさまざま要因が引き金となって発症する脆弱性モデルが提唱されています。薬物の乱用は,統合失調症の原因ではありません。
よって間違いです。
第27回で出題された統合失調症は第30回でも出題されています。
今まで2年連続で出題されていないことから,統合失調症だけではなく,うつ病,躁病,発達障害,DSMはしっかり押さえておくことが,重要です。
100%出題されているので,覚えないのはもったいないです。