前回の歴史に続いて,今回は多くの人が苦手とする人名を取り上げます。
第30回国試を見てみましょう。
第30回・問題10 思考や知能に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 拡散的思考とは,問題解決の際に,一つの解答を探索しようとする思考方法である。
2 洞察とは,問題解決のための方法を一つひとつ試して,成功する手法を探していく思考方法である。
3 知能指数(IQ)は,知能検査から得られる生活年齢と暦年齢の比によって計算される。
4 結晶性知能とは,過去の学習や経験を適用して得られた判断力や習慣のことである。
5 成人用知能検査であるWAISは,フランスのビネー(Binet,A)によって開発された。
正解は,4。
【30-12】 ピアジェ(Piaget,J.)の認知発達理論に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 体積や量の保存の概念は,感覚運動期に獲得される。
2 自己中心的な思考は,形式的操作期の特徴である。
3 抽象的な論理的思考は,前操作期に発達する。
4 可逆的な操作は,具体的操作期に可能となる。
5 対象の永続性は,形式的操作期に獲得される。
正解は,4。
第30回・問題17 次の記述のうち,ウェルマン(Wellman,B.)の「コミュニティ解放論」の説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 特定の関心に基づくアソシエーションが,コミュニティを基盤として多様に展開している。
2 都市化の進展によってコミュニティは喪失若しくは解体されている。
3 都市化が進展しても,近隣を単位としたコミュニティは存続している。
4 交通通信手段の発達によって,コミュニティは地域という空間に限定されない形で新しく展開している。
5 コミュニティが,地域での自立生活を可能にする対人サービスを提供するようになっている。
正解は,4。
第30回・問題22 ロールズ(Rawls,J.)が論じた「正義」に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 成員の快楽の総和を最大化する社会が,最も望ましいと論じた。
2 社会で最も不遇な人の最大の便益となるように,資源配分の是正が行われるべきであると論じた。
3 諸個人に対する平等な基本的自由の実現が不可能であることを前提に,正義を論じた。
4 「無知のヴェール」に包まれた個人を想定した議論では,功利主義的な社会が構想されることになると論じた。
5 「さまざまな生き方」を選べる基本的なケイパビリティを平等に配分することが,正義であると論じた。
正解は,2。
第30回・問題28 貧困に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ポーガム(Paugam,S)は,車輪になぞらえて,経済的貧困と関係的・象徴的側面の関係を論じた。
2 タウンゼント(Townsend,P)は,相対的剥奪指標を用いて相対的貧困を分析した。
3 ピケティ(Piketty,T.)は,資産格差は貧困の世代間連鎖をもたらさないと論じた。
4 ラウントリー(Rowntree,B.S)は,ロンドン市民の貧困調査を通じて「見えない貧困」を発見した。
5 リスター(Lister,R.)は,社会的降格という概念を通して,現代の貧困の特徴を論じた。
正解は,2。
第30回・問題93 日本の社会福祉の発展に寄与した人物に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 石井十次は,医療ソーシャルワーカーとして実践に携わった。
2 浅賀ふさは,北海道家庭学校を創設し,感化教育を実践した。
3 岡村重夫は,社会関係の主体的側面に焦点を当てた社会福祉固有の視点と領域を提起した。
4 留岡幸助は,ケースワーク技術や援助プロセスにおける理論を発展させた。
5 竹内愛二は,「無制限主義」を掲げ,孤児を救済する民間社会事業を展開した。
正解は,3。
第30回・問題95 次のうち,ノーマライゼーションの原理を八つに分けて整理した人物として,適切なものを1つ選びなさい。
1 ソロモン(Solomon,B)
2 バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen,N)
3 ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger,W.)
4 サリービー(Saleebey,D)
5 ニィリエ(Nirje,B)
正解は,4。
第30回・問題100 ソーシャルワーク実践理論に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 グループワークを体系化したのは,リッチモンド(Richmond,M)である。
2 治療モデルを確立したのは,タフト(Taft,J)とロビンソン(Robinson,V)である。
3 生活モデルを提唱したのは,ピンカス(Pincus,A)とミナハン(Minahan,A)である。
4 ジェネラリスト・ソーシャルワークは,ソーシャルワーク理論の統合化により発展した。
5 ナラティブ・アプローチは,専門性に基づく支援者の知識に着目した。
正解は,4。
第30回・問題102 リード(Reid,W.)とエプスタイン(Epstein,L.)が提唱した課題中心アプローチに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ストレングスモデルの影響を受けている。
2 過去に起きた出来事について探索し,問題の原因を究明する。
3 支援期間を短期に設定し,処遇目標や面接の回数などを明確化する。
4 クライエント自らが解決困難と考える問題を,支援対象とする。
5 精神分析的な方法を用いて,クライエントのアセスメントをする。
答えは,3。
第30回・問題137 以下の文章は,障害児福祉の発展に貢献した人物の紹介である。紹介されている人物として,正しいものを1つ選びなさい。
近江学園の創設者。重度の障害児であっても,人間らしく生きていくことが重要であると考え,「この子らに世の光を」ではなく,「この子らを世の光に」という言葉を通して,人間尊重の福祉の取組を展開した。
1 石井亮一
2 高木憲次
3 糸賀一雄
4 福井達雨
5 留岡幸助
全部で,10問。
A=B
で解ける問題は,3問。
それ以外は,人名部分ではないところに正解がある。
多くの場合は,人名よりも,その内容が分かっていないと解けません。
第30回・問題22 ロールズ(Rawls,J.)が論じた「正義」に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 成員の快楽の総和を最大化する社会が,最も望ましいと論じた。
2 社会で最も不遇な人の最大の便益となるように,資源配分の是正が行われるべきであると論じた。
3 諸個人に対する平等な基本的自由の実現が不可能であることを前提に,正義を論じた。
4 「無知のヴェール」に包まれた個人を想定した議論では,功利主義的な社会が構想されることになると論じた。
5 「さまざまな生き方」を選べる基本的なケイパビリティを平等に配分することが,正義であると論じた。
この問題であれば,
ロールズ=格差原理
の知識ではなく,格差原理とは・・・,といった覚え方が必要です。
第30回・問題102 リード(Reid,W.)とエプスタイン(Epstein,L.)が提唱した課題中心アプローチに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ストレングスモデルの影響を受けている。
2 過去に起きた出来事について探索し,問題の原因を究明する。
3 支援期間を短期に設定し,処遇目標や面接の回数などを明確化する。
4 クライエント自らが解決困難と考える問題を,支援対象とする。
5 精神分析的な方法を用いて,クライエントのアセスメントをする。
この問題であれば,
リードとエプスタイン=課題中心アプローチ
の知識ではなく,課題中心アプローチとは・・・。
といった覚え方が必要です。
人名そのものが問われる問題は,本当に数少ないです。
参考書に書いてある人名の多くは,覚える必要のないもの(一見さん)です。
常連さんである人たちを覚えれば何とかなります。
問題28では・・・
1 ポーガム(Paugam,S) 一見さん ➡ 不正解
2 タウンゼント(Townsend,P) 超常連さん(10回出題) ➡ 正解
3 ピケティ(Piketty,T.) 一見さん ➡ 不正解
4 ラウントリー(Rowntree,B.S) 超常連さん(16回) ➡ 不正解
5 リスター(Lister,R.) 2回目の出題 ➡ 不正解
近年では,一見さんで正解になったのは,第27回のスピッカーのみです。
〈今日のまとめ〉
人名問題は,人の名前を覚えることに力を入れるのではなく,その内容を覚えることです。
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