詳しくは,また一問ずつ見ていきたいと思いますが,その前に第27回国試の特徴をお伝えしたいと思います。
実は特段の特徴がない試験です。
別な言い方をすれば,特徴がないのが特徴と言えるかもしれません。
その中で,計算させる問題が2問出題されています。
第27回・問題54 事例を読んで,Cさんに支給される老齢基礎年金額として,正しいものを1つ選びなさい。
〔事例〕
昨年3月に65歳になったCさん(独身)は,4月から老齢基礎年金の支給を受けている。Cさんの国民年金の被保険者期間は40年間で,そのうち34年間は保険料納付済期間であり,残りの6年間は,生活保護法による生活扶助を受け,保険料の全額について,法定免除されていた。
ただし,本年度の満額の老齢基礎年金額は,772,800円であり,年金額の計算で端数が生じたときは,50円来満は切り捨て,50円以上は100円に切り上げる。また,Cさんが,免除を受けていた期間は2008年度以前であり,免除期間についての国庫負担割合は3分の1として評価,計算する。なお,免除された保険料の追納はしていない。
1 386,400円(満額の老齢基礎年金額の50%)
2 618,200円(満額の老齢基礎年金額の約80%)
3 656,900円(満額の老齢基礎年金額の約85%)
4 695,500円(満額の老齢基礎年金額の約90%)
5 772,800円(満額の老齢基礎年金額)
この問題は,後世に伝えられる問題ではないかと思います。
老齢基礎年金は意外と簡単に求めることができることと,国庫負担割合が3分1から2分の1に引き上げたられたことの意味を印象づけたからです。
この問題は,他に法定免除と猶予制度の違いなどを実践的に学ぶことことになります。
答えは4ですが,過去問を解くとき,答えを覚えて解くことは,得点力を上げることにはつながりません。
なぜなら・・・
国試はも少し重なっていて,少しずつ違うからです。
思考を動かして
ここの意味をつかむことが重要です。
もう一つの計算が必要な問題です。
問題88 事例を読んで,調査結果の読み方に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
ある地区で開催された「ふれあいサロン」の参加者の性別と年齢を調査した。その結果,参加者は,男性が64歳と68歳の2名,女性が64歳,66歳,72歳,75歳,77歳,80歳,82歳の7名であった。
1 女性参加者の年齢の中央値は,75である。
2 参加者全体の年齢の範囲は,82である。
3 参加者全体の年齢の最頻値は,2である。
4 男性参加者の年齢の平均値は,66である。
5 女性参加者の年齢の分散と男性参加者の年齢の分散は等しい。
データを読むタイプの問題は,センター試験ではよく出題されていますが,社会福祉士の国試では初めてのタイプでした。
この問題を見た人は,さぞかしびっくりしたことでしょう。
冷静に読むことが求められます。
答えは,1と4。
今日の問題のように,新しいタイプの問題は必ず出題されます。
計算させる問題は,実は過去にも数回出題されていますが,1回の国試で2問あるのは珍しいことです。
しかし,これからはこういう問題も織り交ぜてくると思います。
<今日の一言>
国試は少し重なっていて,少しずつ違う
スタンダードな問題でも,すべての選択肢が同じように出題されることはありません。
3年間の過去問で満点が取れる知識がついても,出題範囲の一部です。
過去問は,問題を解くための知恵をつける意味が大きいです。
それを考えて取り組んでいきましょう。