2018年3月27日火曜日

国試に合格する勉強法~防衛機制の押さえ方


「心理学と心理的支援」は実は得点しやすい科目です。


<得点しやすい理由>

①出題基準に沿って出題されている。
 (出題基準からはみ出た出題はほとんどない)
②間違い選択肢には言い回しに不自然さがある場合が多い。

これらは対策可能です。


さて,今日は防衛機制を取り上げます。

防衛機制は,ジークムント・フロイトの娘であるアンナ・フロイトが体系づけました。
よく親子で同じ領域を研究したと思います。
つまり無意識の領域が学問領域です。

防衛機制は,多くの場合は「無意識」によって行われるものです。

さて,それでは今日の問題です。

第27回・問題10 防衛機制に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 あるつらい体験をした。その後,その体験に関する記憶があいまいになった。これを退行という。
2 飛行機事故をいつも心配していた。しかし,事故の確率は極めて低いと考え,不安な気持ちを静めた。これを取り入れという。
3 自分の欲しかったものが手に入らず悔しかった。それで,あんなものは大した価値がないと思い気持ちを落ち着けた。これを抑圧という。
4 競争心が高まりライバルを攻撃したくなった。しかし,それは不適切だと感じ,ボクシングの練習で気持ちを解消した。これを昇華という。
5 ある友人に批判的な気持ちになった。しかし,そんな気持ちは不適切だと思い,逆に優しい言葉をかけた。これを合理化という。

防衛機制は,種類が多いですが,その分出題頻度も高いので,しっかり覚えておきたいです。

実はほかの科目でも出題されています。

それでは,詳しくみていきましょう。


1 あるつらい体験をした。その後,その体験に関する記憶があいまいになった。これを退行という。

思い出したくないことを無意識の領域に追いやることは,抑圧です。よって間違いです。
退行は,生活年齢よりも前の段階の行動をとることです。いわゆる「赤ちゃん返り」です。


2 飛行機事故をいつも心配していた。しかし,事故の確率は極めて低いと考え,不安な気持ちを静めた。これを取り入れという。

取り入れは,他人の良い部分を取り入れることです。よって間違いです。


3 自分の欲しかったものが手に入らず悔しかった。それで,あんなものは大した価値がないと思い気持ちを落ち着けた。これを抑圧という。

これ抑圧ではなく,合理化です。よって間違いです。防衛機制のうちで最も出題回数の多いものは合理化です。


4 競争心が高まりライバルを攻撃したくなった。しかし,それは不適切だと感じ,ボクシングの練習で気持ちを解消した。これを昇華という。

これが正解です。社会が受け入れがたいものを受け入れやすいものにすることです。人を殴れば暴行ですが,ボクシングで殴って勝てば,英雄です。


5 ある友人に批判的な気持ちになった。しかし,そんな気持ちは不適切だと思い,逆に優しい言葉をかけた。これを合理化という。

自分の本来の気持ちと逆の行動をとることは「反動形成」です。よって間違いです。



〈防衛機制のまとめ〉


防衛機制の出題実績
第3・5・11・15・21・26・27回

しかもほとんどが1問まるごとの出題です。

防衛機制に関する出題
 
 ↓    ↓

第26回・問題13


防衛機制では,「取り入れ」のような見たことがないような内容も出題されますが,それらが正解になったことはありません。

「少しずつ同じで,少しずつ違う」の「少しずつ違う」の部分に正解が来ないのは,取り組みやすいです。

正解になるのは,合理化,抑圧,昇華などよく知られたものです。しっかり押さえましょう。

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