2018年3月7日水曜日

第30回国試を振り返る~試験委員を味方につけよう!!

最近強く思うのは,

国試に合格するためには,強いメンタルが必要

だということです。

試験当日に心が弱くなると,実力通りの力が発揮できなくなります。

このブログでは,試験委員の仕掛けるトラップをさんざん指摘してきましたが,本当は試験委員の方の方々は心優しき先生方です。

その先生方を身近に感じて,懐にちょっと飛び込む気持ちで国試に臨むことは,試験当日の心の余裕につながります。

第30回国試の委員長,副委員長は,以下の通りです。

試験委員長

坂田周一先生 立教大学名誉教授(西日本大学教授) 第26回~
秋元美世先生 東洋大学教授 第22回~
小笠原浩一先生 東北福祉大学教授 第26回~
川崎二三彦先生 子どもの虹情報研修センター センター長 第29回~
後藤澄江先生 日本福祉大学教授 第30回~
鶴岡浩樹先生 日本社会事業大学教授 第30回~
野村豊子先生 日本福祉大学教授 第28回~
福田素生先生 埼玉県立大学教授 第30回~
和気康太先生 明治学院大学教授 第30回~

これらの先生方のもとで,約60名の試験委員が第30回国試問題を作りました。

福祉現場でなじみのある方々だと思います。

どんな人が国試問題を作っているのか,実は発表されています。

知っていましたか?

試験委員が発表されるのは,毎年8月です。

ネットで調べると,各試験委員の顔写真もヒットします。

今は,問題のプール制という制度を取っているので,過去の委員が作った問題が使われることもあるとは思いますが,基本はやっぱり現在の試験委員が作った問題だと思います。

試験委員の方々は,本当に苦労して作っています。

旧カリ時代には,誤っているものを選ぶ問題が多くありました。

正しいものを選ぶよりも誤っているものを選ぶ方が受験生は楽です。実は,試験委員も同じで,誤っているものを選ぶ問題を作問する方が楽です。

自分で作問してみれば分かりますが,間違い選択肢をそれっぽく見せるように作問するのはとても難しい作業です。

そのために,間違い選択肢をつくるための常とう手段に頼ることになります。

国試問題の文字数が少なくなっているのは,基礎力をもった人には解きやすい問題となります。しかし,文字数が短くなっていることは,日本語的な言い回りの不自然さがなくなることにもつながります。

基礎力のある人と基礎力が不足している人では,かなりの点数の開きが出てくることが予測できます。


試験委員は,専門領域から出題する!!

試験委員は誰がなってもそんなに変わらないと思うかもしれません。

しかし,人がつくる問題なので,不得意領域の問題ではなく,自分の専門領域から出題したいと思うはずです。

明治学院大学教授の和気康太先生の研究領域を調べると,「高齢者保健福祉の領域における国際比較調査の方法論の研究」があります。

後出しじゃんけんのようで申し訳ありませんが,それが以下の問題につながっているように思います。

第30回・問題126 

「平成28年版高齢社会白書」(内閣府)における,国際比較調査(日本,アメリカ,ドイツ,スウェーデン)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 現在の貯蓄や資産が老後の備えとして「やや足りない」と「まったく足りない」と回答した高齢者の割合の合計は,日本が最も多い。
2 近所の人と「病気の時に助け合う」と回答した高齢者の割合は,日本が最も多い。
3 「今後,収入を伴う仕事をしたい(続けたい)」と回答した高齢者の割合は,日本が最も少ない。
4 ふだん,近所の人と「お茶や食事を一緒にする」と回答した高齢者の割合は,日本が最も多い。
5 老後生活に「満足している」と「まあ満足している」と回答した高齢者の割合の合計は,日本が最も多い。


答えは,1です。

受験した人は,この問題を見たとき「この問題は何?」と思ったことでしょう。

改めて今思うと,和気先生が作問されたのかなあ,と思います。

だからと言って,試験委員の情報を受験生の皆さんが分析する必要はありません。

それよりも,試験委員を身近に感じて,懐にに飛び込む気持ちで試験に臨むことができたとしたら,必ず実力通りの力を発揮することができると信じています。

これからパラリンピックが開幕します。

強いメンタルを持った選手たちが活躍してくれることでしょう。


〈今日の一言〉

国試に向けた勉強は,孤独で辛いかもしれません。

それでも,歯を食いしばって勉強を続けた先には,資格取得という最高の結末が待っています。

その明るい未来を想像しながら,頑張っていきましょう!!

私たち,チームfukufuku21は,努力を底支えするプラスアルファの情報を提供していきたいと思います。

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