第30回国家試験の合格発表は,3/15(木)です。
受験された方は,ドキドキしてその日を待っていることでしょう。
第26回国試国試から現在の国家試験委員長が坂田周一先生になり,第30回まで至っています。
本来は試験委員長が変わったからといって,試験が大きく変わるわけではないはずですが,大きな潮目になっていることは間違いありません。
今,確認できるのは第12回国試以降です。
第12~14回 阿部志郎先生(神奈川県立保健福祉大学 元・学長) 3年間
第15~18回 山崎美貴子先生(神奈川県立保健福祉大学 元・学長) 4年間
第19~25回 古川孝順先生(西九州大学 副学長) 7年間
第26~30回 坂田周一先生(西日本大学 教授) 5年間
第12回以前の試験委員長は分かりませんが,山崎先生が4年務めていらっしゃることから,4年が一つの基準のように思います。
第15回は,初めて合格基準点と正答を発表した年です。
第19回は,社会福祉原論が難解すぎて,0点になった人が続出した年です。
第26回は,今の国試の起点となった年です。
古川先生が,7年という奇数年となっている理由が第25回国試だと仮定すれば,任期途中で退任されたということも考えられます。もともと8年務める予定だったものが退任が1年早かったという憶測です。
坂田先生は,5年間勤められていますが,第33回にカリキュラム改正に伴う国試の変更があるとすれば,そのまま3年間試験委員長を務めて,新カリ国試に突入することもあるかもしれません。
しかし,先日書いたように,カリキュラム改正が,当初の予定より1年遅れているので,その前に変わって,慣れたところで新しい試験に対応するということも考えられます。
坂田先生が古川先生の1年を引き継いだとすれば,1年+4年=5年の第30回が最後である可能性もあります。
坂田先生がそのまま第31回も試験委員長を務めることになれば,試験もそれほど変わらないはずです。
しかし,試験委員長が変わるとすれば,新しい潮目となる可能性があります。
基礎力の重要性はますます高まります。
3年間の過去問で対応しようと思っている人はとても危険です。
さて,前置きが長くなりました。
第30回国試から,第31回国試のボーダーラインを考えてみます。
問題の作り方の基本(ルール)は試験センターが各試験委員に示しているはずなので,試験委員長が変わっても大きく変わることはないはずです。
そう考えると,第31回国試の合格ラインが80点台の前半になるような出題にはならないと考えられます。
私たちが指摘しているように,指摘している問題文の文字数が短くなっていることは,勉強不足でも合格できる可能性を低めることにつながります。
なぜなら,問題文が長いことは,問題文の中に矛盾などのロジック的な破たんを起こすことが多かったので,勉強不足の人でもそこに気が付けば,得点することができました。
いわゆる「日本語的におかしい」問題になっていたのでしょう。
問題文の短さは,知識がそのまま得点力につながります。しかし「日本語的におかしい」部分はなくなりますので,知識が足りなくても日本語的に読めば得点できるといった糸口は限りなく見つけにくいことでしょう。
逆の面から言えば,基礎力をしっかりつけた人は得点しやすいので,できる人とできない人の点数の開きはどんどん開いていきます。
勉強不足で合格するのは,とても厳しい試験になることは間違いありません。
<今日の一言>
第30回国試をちょこっと解いてみて,何となく「点数が取れそうだな」というイメージを持つ人は多いかもしれません。
しかし,実際に合格基準点を超える点数を取るのは容易ではありません。
言えるのは,基礎力をつけることが合格につながることです。
しかも今まで以上に,しっかり勉強した人はその努力が報われる国試になることでしょう。
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