早速問題です。
第31回・問題124 適切な福祉・介護サービスの提供体制に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 運営適正化委員会は,福祉サービスに関する苦情について解決の申出があったときは,サービス提供を行った事業者に当事者間での解決を求めなければならない。
2 福祉サービス第三者評価の結果は,「福祉サービス第三者評価結果の公表ガイドライン」に基づき,市町村から公表される。
3 介護サービス情報の公表制度では,事業所から報告された情報内容を独立行政法人福祉医療機構が,審査した後インターネットで公表することになっている。
4 法人内に設置される「第三者委員」の職務には,苦情及び苦情解決の報告に対する助言や意見交換は含まれていない。
5 苦情を収集するためには,意見箱,アンケート調査,苦情受付担当者の配置など,情報収集のチャンネルの多角化が必要である。
正解は,
5 苦情を収集するためには,意見箱,アンケート調査,苦情受付担当者の配置など,情報収集のチャンネルの多角化が必要である。
答えを知ると当たり前のことを聞いているものだとわかると思います。
しかし,ほかの選択肢との関係性の中で,正解するのは簡単ではありません。
この問題を正解できにくくしているのは,以下の選択肢です。
2 福祉サービス第三者評価の結果は,「福祉サービス第三者評価結果の公表ガイドライン」に基づき,市町村から公表される。
3 介護サービス情報の公表制度では,事業所から報告された情報内容を独立行政法人福祉医療機構が,審査した後インターネットで公表することになっている。
ここでしっかり押さえておきたいのは,都道府県の役割です。
地方自治法では,以下のように定められています。
第二条
○3 市町村は、基礎的な地方公共団体として、第五項において都道府県が処理するものとされているものを除き、一般的に、前項の事務を処理するものとする。
○5 都道府県は、市町村を包括する広域の地方公共団体として、第二項の事務で、広域にわたるもの、市町村に関する連絡調整に関するもの及びその規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められるものを処理するものとする。
サービスの質向上の取り組みは,都道府県の役割です。
一般の市町村が処理するが適当ではない事務だからです。
そのため,福祉サービス第三者評価は,都道府県の役割です。
市町村と都道府県の役割に関する問題が出題された場合,地方自治法の規定を思い出しましょう。
原則的には,事業者の指定,専門職の確保・研修事業,質向上の取り込みなどが都道府県の役割だということになります。
同じように,介護サービス情報の公表制度は,都道府県の役割です。
<今日の一言>
都道府県と市町村の役割は,複数の科目で出題されます。
原則を覚えて,それ以外のものがあった場合に,個別に覚えていくとよいです。
例えば,事業者の指定では,指定特定相談支援事業者,居宅介護支援事業所,地域密着型サービス事業者などが,例外的に市町村です。
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