養護老人ホームの変遷は
養老院(1929年・救護法)
↓ ↓
養老施設(1946年・旧生活保護法)
↓ ↓
養護老人ホーム(1963年・老人福祉法)
このようになっていることを学んできました。
養護老人ホームは,1963年の老人福祉法が制定された当初は,以下のように規定されていました。
・65歳以上の者であって,身体上若しくは精神上又は環境上の理由及び経済的理由により居宅において養護を受けることが困難な者を収容し、養護することを目的とする施設。
2005年の法改正によって,現在は,以下のように規定されています。
・65歳以上の者であって,環境上の理由及び経済的理由(政令で定めるものに限る。)により居宅において養護を受けることが困難な者を入所させ,養護するととも,その者が自立した日常生活を営み,社会的活動に参加するために必要な指導及び訓練その他の援助を行うことを目的とする施設。
2005年改正の目的は,介護保険制度の中での老人福祉法の養護老人ホームの役割を明確化させるものでした。
この改正によって,「養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」も改正され,
養護老人ホームは入所者の処遇に関する計画(以下「処遇計画」という。)に基づき,社会復帰の促進及び自立のために必要な指導及び訓練その他の援助を行うことにより,入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない。
とされました。
この時の改正で,従来の「生活指導員」が「生活相談員」に改められ,居宅サービス等保健・医療・福祉サービスとの連携に努めるなどソーシャルワーク機能の強化が図られています。
それでは今日の問題です。
第27回・問題135 老人福祉法に規定される養護老人ホームについての次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 入所の要件は,要介護状態もしくは要支援状態であることとされている。
2 都道府県,市町村,社会福祉法人のほか,医療法人や民間営利法人も設置できる。
3 入所者の心身の状況等に応じて,社会復帰の促進及び自立のために必要な指導や訓練,その他の援助を行うこととされている。
4 入所者の居室1室当たりの定員は2人と定められている。
5 入所に当たっては,居住地の市町村と利用契約を締結する必要がある。
第22回の国試以降,老人福祉法は,第23・24・27・29・31回に出題されています。
発展過程では,第22・24・26・28・29・30・31回に出題されているので,老人福祉法は必ず出題されるものである,と思って良いでしょう。
現在の施策では,介護保険法が中心となりますが,老人福祉法も重要施策であることを示すものでしょう。確実に覚えておきたいです。
さて,今日の問題の正解は,選択肢3です。
3 入所者の心身の状況等に応じて,社会復帰の促進及び自立のために必要な指導や訓練,その他の援助を行うこととされている。
この規定は,先述のように2005年改正によって加わったものです。
この改正以前の養護老人ホームの入所要件には,現在と異なり「身体上若しくは精神上又は環境上の理由及び経済的理由」というように「身体上若しくは精神上」があったために,入居者に介護が必要となったときには,介護も提供していました。
この改正で,「身体上若しくは精神上」の規定は削除して,養護老人ホームは,生活支援型の施設への転換を図り,介護が必要となった場合は,介護保険サービスを提供することとなったのです。
それでは,ほかの選択肢も確認しましょう。
1 入所の要件は,要介護状態もしくは要支援状態であることとされている。
養護老人ホームの入所の要件は以下の通りです。
「65歳以上の者であって,環境上の理由及び経済的理由(政令で定めるものに限る。)により居宅において養護を受けることが困難な者」
しっかり覚えましょう。
2 都道府県,市町村,社会福祉法人のほか,医療法人や民間営利法人も設置できる。
養護老人ホームは,第一種社会福祉事業です。
医療法人や民間営利法人の設置は認められません。
4 入所者の居室1室当たりの定員は2人と定められている。
居室は,従来は2人部屋でしたが,2005年改正で,原則個室と変更されました。
この時の改正で,居室面積も変更になり,従来は一人当たり,3.3㎡以上から10.65㎡に拡大されました。
この改正は,生活支援サービスを強化するものです。
5 入所に当たっては,居住地の市町村と利用契約を締結する必要がある。
養護老人ホームは,市町村の措置によって利用します。
<今日の一言>
2005年の老人福祉法の改正で,養護老人ホームの機能には,介護サービスは含まれないものとされました。
入居者に介護が必要となった場合は,介護保険法による介護保険サービスを利用することになります。
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