2019年11月20日水曜日

社会人が社会福祉士の国家試験に合格するための勉強法

社会福祉士の国家試験の合格率は,約30%です。

とは言っても,勉強不足で受験する人もいます。
社会福祉士の国家試験は,まぐれで合格できるような試験ではありません。

知っていたところが偶然出題されて,合格できるといった試験ではありません。

勉強不足の人は確実に不合格になります。
勉強不足の人がまぐれで合格する試験ではないことは,断言します。

今の国家試験は,勉強をしっかりした人は報われるものです。

勉強した人は報われなければなりません。

それにもかかわらず,何度受験しても合格できないという人もいます。

この学習部屋は,そんな仲間が合格するために始めたのがきっかけです。

国家試験に合格するためには,基礎的な知識が必要です。
これなしでは,絶対に合格することはできません。

国家試験に合格するために最も必要なものは,極めてアナログですが「合格したい」という気持ちです。

この気持ちを抱いて国試までの残り時間を勉強していけば,必ず基礎力はつきます。

学習時間に限りがある社会人でも気持ち次第で実力はぐんぐん伸ばすことができます。

ただし,3年間の過去問を完璧に覚える勉強は,覚えるべき内容が少なすぎて基礎力をつけるためには,不適切です。

3年間の過去問を効果的に使うのは,内容を覚えるというよりも,国家試験に慣れるためのという視点をもつことです。

そうすれば,いろいろなものが見えてくるでしょう。

それでは今日の問題です。

第24回・問題128 「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 この法律にいう「高齢者」とは,その年齢が65歳以上の者を指すとともに,65歳未満の者であって介護保険における要介護あるいは要支援の認定を受けた者をいう。

2 市町村長は養護者による高齢者虐待により高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められるときは,裁判所の許可を得て,立入調査をさせることができる。

3 市町村は,虐待防止のために市町村が行う高齢者や養護者に対する相談,助言,指導について,当該市町村と連携協力する高齢者虐待対応協力者のうち適当と認められるものに委託することができる。

4 市町村長は,毎年度,養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況や養介護施設従事者等による高齢者虐待があった場合に採った措置などについて公表しなければならない。

5 養護者による虐待を受けた高齢者について老人福祉法における措置が採られ,養介護施設へ入所させた場合,養護者から当該高齢者との面接の要求があったときには養介護施設の長はこれを拒むことはできない。


今回から,「高齢者虐待防止法」を取り上げます。

高齢者虐待防止法の目的

第一条 この法律は、高齢者に対する虐待が深刻な状況にあり、高齢者の尊厳の保持にとって高齢者に対する虐待を防止することが極めて重要であること等にかんがみ、高齢者虐待の防止等に関する国等の責務、高齢者虐待を受けた高齢者に対する保護のための措置、養護者の負担の軽減を図ること等の養護者に対する養護者による高齢者虐待の防止に資する支援のための措置等を定めることにより、高齢者虐待の防止、養護者に対する支援等に関する施策を促進し、もって高齢者の権利利益の擁護に資することを目的とする。

定義等

第二条 この法律において「高齢者」とは、六十五歳以上の者をいう。
2 この法律において「養護者」とは、高齢者を現に養護する者であって養介護施設従事者等以外のものをいう。
3 この法律において「高齢者虐待」とは、養護者による高齢者虐待及び養介護施設従事者等による高齢者虐待をいう。


高齢者虐待防止法は,虐待した人を罰するための法律ではありません。

目的に書かれているように,擁護者に対する支援を行うことで,高齢者の権利擁護を図るものです。

法制度で理解しにくいことがあったら,まずは法に当たることです。
しかし,今はあまり時間をかけたくありません。

そこでおすすめするのは,国が作成した行政説明用の資料を見ることです。
理解しにくいものがすんなり分かったりします。

さて,今日の問題の答えは,選択肢です。

3 市町村は,虐待防止のために市町村が行う高齢者や養護者に対する相談,助言,指導について,当該市町村と連携協力する高齢者虐待対応協力者のうち適当と認められるものに委託することができる。

難しいですね。

しかし,ほかの選択肢を消去することで,正解できます。
この問題の読み方が,過去問を解く意味であると言えます。

1 この法律にいう「高齢者」とは,その年齢が65歳以上の者を指すとともに,65歳未満の者であって介護保険における要介護あるいは要支援の認定を受けた者をいう。

高齢者の権利擁護が目的ですから,余計なことをごちゃごちゃ並べる必要はありません。
高齢者の年齢だけを明記すればよいだけです。

2 市町村長は養護者による高齢者虐待により高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められるときは,裁判所の許可を得て,立入調査をさせることができる。

高齢者虐待防止法による立入調査は,捜査ではありません。
裁判所の許可を得るには時間がかかります。法の目的を考えるとあり得ないだろうという考える感性が必要です。

4 市町村長は,毎年度,養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況や養介護施設従事者等による高齢者虐待があった場合に採った措置などについて公表しなければならない。

公表するのは都道府県知事です。

5 養護者による虐待を受けた高齢者について老人福祉法における措置が採られ,養介護施設へ入所させた場合,養護者から当該高齢者との面接の要求があったときには養介護施設の長はこれを拒むことはできない。

児童でも同じような問題がありますが,拒否できなければ,何のために分離したのかの意味をなさなくなってしまいます。

<今日の一言>

これから先は,絶対にマイナス言葉を口にしないようにしましょう。

マイナス言葉を口にするたびに,国家試験の点数が1点ずつダウンする,というくらいの危機感が必要です。

社会人は,学生と違って自分の周りに社会福祉士の国家試験を受験する仲間は身近にいないことが多いと思います。

仲間同士で支え合うことができにくい環境なので,学生以上に自律が求められます。

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