2019年11月8日金曜日

介護報酬の改定

前回のおさらいから・・・

介護報酬の改定は,3年に1回。
診療報酬の改定は,2年に1回。

同時改定は,3年×2年で,6年に1回実施されます。

ほとんど覚える必要はないですが,今までの介護報酬の改定の推移は以下のとおりです。

2003
マイナス改定
2006
マイナス改定
2009
プラス改定
2012
プラス改定
2015
マイナス改定
2018
プラス改定
2021

利益率が高いサービスがあれば下げられ,低い場合は上がります。
そこには様々な思惑が入り込みます。

いずれにしても,全体では,プラス改定になったり,マイナス改定になったりしています。

それでは,今日の問題です。

第22回・問題125 我が国の介護保険制度における介護報酬に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 介護報酬の改定は,原則として3年に1回の頻度で実施されているが,これまでの改定はすべてマイナス改定であった。

2 介護報酬の改定について,改定内容の審議は提供側,支払側,公益側の三者構成の中央社会保険医療協議会において行われる。

3 介護保険施設に関する介護報酬については,定額の包括払い方式となっており,各種の加算は設定されていない。

4 介護報酬の額は,サービスの種類や要介護度等に応じた単位数に単価を乗じて算定されるが,この単価は全国一律に10円である。

5 市町村は,指定居宅サービス事業者から居宅介護サービス費の請求があったときは,所定の基準に照らして審査し,支払うものとされている。

第22回の国試は,現行カリキュラムで実施された初回です。

さすがは,第22回国試の問題だと思います。

第22回の国試は,「これから国試ではこのような問題を出題します」という宣言をした内容のものが多いのです。

中には,「保健医療サービス」や「社会調査の基礎」のように新しく加わった科目のように張り切りすぎて,難易度が高かったものもあります。

そのせいで,「社会調査の基礎」は難しいというイメージがついてしまいました。

しかし,この科目は決して難しくないです。

苦手意識を拭い去ることができれば,必ず得点できる科目になります。


さて,この問題の正解は,選択肢5

5 市町村は,指定居宅サービス事業者から居宅介護サービス費の請求があったときは,所定の基準に照らして審査し,支払うものとされている。


介護報酬に関する問題ですが,制度の根幹をなす内容のものが正解になっています。

多くの問題は,実はそのように作られています。

たくさんの過去問を見ていると,それを強く感じます。

過去問を解く意味は,そこにあるように思います。
もちろん内容を覚えることは大切ですが,問題慣れをすることの方が意味があるように思います。


問題に戻ります。

選択肢5は正解ですが,注意したいのは,審査支払い権限をもつのは,保険者である市町村であることです。

国保連が審査支払いをしていますが,保険者から委託で行っているのであって,権限は市町村がもっています。

それでは,ほかの選択肢もみてみましょう。


1 介護報酬の改定は,原則として3年に1回の頻度で実施されているが,これまでの改定はすべてマイナス改定であった。

前説のように,マイナス改定もプラス改定もあります。
「すべて」がついているところからも間違いっぽいです。


2 介護報酬の改定について,改定内容の審議は提供側,支払側,公益側の三者構成の中央社会保険医療協議会において行われる。

中央社会保険医療協議会(中医協)が審議するのは,診療報酬です。
介護報酬の改定審議を行っているのは,社会保障審議会(介護給付費分科会)です。


3 介護保険施設に関する介護報酬については,定額の包括払い方式となっており,各種の加算は設定されていない。

加算はたくさんあります。


4 介護報酬の額は,サービスの種類や要介護度等に応じた単位数に単価を乗じて算定されるが,この単価は全国一律に10円である。

全国一律1点10円なのは,診療報酬です。
介護報酬は,全国差があります。


<今日の一言>

現行カリキュラムの国試が始まったのは,第22回からです。

第37回国試から,また新しいカリキュラムの国試が実施されます。

あと5回も今のカリキュラムでの国試が続きます。

とても安定した国試が続くことでしょう。

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