2019年11月24日日曜日

各法等における児童の年齢の定義

今回から「児童と家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」に取り組んでいきます。

社会福祉士の国家試験に出題される児童関係の法律で,20歳を規定しているのは,わずか3法です。

母子及び父子並びに寡婦福祉法
児童扶養手当法
特別児童扶養手当法

それ以外は18歳となっています。

早速今日の問題です。

第22回・問題136 児童等の定義に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 児童福祉法にいう乳児とは,2歳未満の者を意味する。

2 母子及び父子並びに寡婦福祉法にいう児童とは,20歳未満の者を意味する。

3 児童福祉法にいう幼児とは,3歳未満の者を意味する。

4 児童福祉法にいう少年とは,15歳以上18歳未満の者を意味する。

5 児童の権利に関する条約にいう児童とは,20歳未満の者を意味する。

知識がないととても難しい問題です。
勘の良さでは太刀打ちできるものではありません。

しかし,前説で紹介ように,児童で20歳を規定しているのは,

母子及び父子並びに寡婦福祉法
児童扶養手当法
特別児童扶養手当法

のみです(社会福祉士の国試で出題される法の場合)。

ということで正解は,選択肢2

2 母子及び父子並びに寡婦福祉法にいう児童とは,20歳未満の者を意味する。

法に規定される児童の年齢を覚えるのは大変ですが,20歳を規定する3法を押さえて,それ以外は18歳だと覚えるのが良いと思います。

それではほかの選択肢も見てみましょう。

1 児童福祉法にいう乳児とは,2歳未満の者を意味する。

これはナンセンスでしょう。
2歳未満で乳児というのはおかしな感じです。

2歳なら,多くの子供は一人で歩いています。

乳児なのに歩くというのは,怖いと思いませんか?
オカルト的です。

正しくは,児童は1歳未満だとということになります。


3 児童福祉法にいう幼児とは,3歳未満の者を意味する。

うっかりすると,正解にしてしまいそうですが,幼児が3歳未満なら,4・5歳はなんと呼ぶのでしょう?

正しくは,満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者が幼児です。


4 児童福祉法にいう少年とは,15歳以上18歳未満の者を意味する。

これもうっかりすると正解にしてしまいそうですが,少年が15歳以上18歳未満なら,中学生はなんと呼ぶのでしょう?

正しくは,小学校就学の始期から,満18歳に達するまでの者です。


5 児童の権利に関する条約にいう児童とは,20歳未満の者を意味する。

児童の権利に関する条約は18歳未満の者を児童と規定しています。



<今日の一言>

児童福祉法では,児童を以下のように分類しています。

1歳未満
乳児
幼児
1歳から小学校就学の始期に達するまでの者
少年
小学校就学の始期から,満18歳に達するまでの者

20歳を規定するのは,

母子及び父子並びに寡婦福祉法
児童扶養手当法
特別児童扶養手当法

それ以外の法や条約が規定する児童は,18歳です。

今日は,日総研模試の日です。

受験される方は,精いっぱい力を出し切りましょう。

(2019/11/25追記)

受験された方はお疲れさまでした。

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