介護サービスは,非貨幣的ニーズです。
現金給付されても,介護サービスの提供者がいなければ,福祉ニーズを充足することができません。
ニーズがあっても,担い手がいなければなりません。
今回は,介護現場を支える職種について考えてみたいと思います。
それでは今日の問題です。
第23回・問題126 介護にかかわる職種に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 訪問介護員は,居宅等において介護サービスを提供する者であり,介護福祉士や都道府県知事が行う介護員の養成に関する研修等の修了者等が従事することとされている。
2 介護支援専門員の登録を受けるために必要とされる実務経験は,介護福祉士の場合,10年以上とされている。
3 介護支援専門員は,その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならないとされているが,この規定は介護支援専門員を辞めた後には適用にならない。
4 福祉用具専門相談員の業務は,福祉用具に関する専門的知識に基づく助言を受けて行われる貸与の場合に限られており,販売の場合は該当しない。
5 特別養護老人ホームで介護に従事する者は,介護福祉士に限定されている。
古い問題なので,今となっては,制度がなくなってしまっているものがあります。
それはヘルパー研修です。
現在は,介護職員初任者研修に切り替わっています。
しかし,ヘルパー資格を持っている人は,現在も訪問介護に従事することができます。
ということで,正解は選択肢1
1 訪問介護員は,居宅等において介護サービスを提供する者であり,介護福祉士や都道府県知事が行う介護員の養成に関する研修等の修了者等が従事することとされている。
現在の制度で,訪問介護に従事できるのは,
介護職員初任者講習修了者
実務者研修修了者
介護福祉士
(旧ヘルパー資格)
これらの資格を持たない人も訪問介護に従事することはできますが,介護報酬を請求することはできません。
2 介護支援専門員の登録を受けるために必要とされる実務経験は,介護福祉士の場合,10年以上とされている。
介護支援専門員の登録を受けるための実務経験は,5年以上です。
かつては,資格を持たない人も実務経験10年で介護福祉士を受験することができましたが,現在はそのルートは廃止されています。
3 介護支援専門員は,その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならないとされているが,この規定は介護支援専門員を辞めた後には適用にならない。
秘密保持義務は,仕事を辞めた後も適用されます。
これは,社会福祉士も共通です。
4 福祉用具専門相談員の業務は,福祉用具に関する専門的知識に基づく助言を受けて行われる貸与の場合に限られており,販売の場合は該当しない。
福祉用具専門相談員の業務は,貸与も販売も対象です。
5 特別養護老人ホームで介護に従事する者は,介護福祉士に限定されている。
こんな規定はありません。
<今日の一言>
今となっては,こんなひどい問題は出題されないでしょう。
というのは,知識ゼロでも消去できる選択肢が3つもあるからです。
その3つは以下の通りです。
3 介護支援専門員は,その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならないとされているが,この規定は介護支援専門員を辞めた後には適用にならない。
4 福祉用具専門相談員の業務は,福祉用具に関する専門的知識に基づく助言を受けて行われる貸与の場合に限られており,販売の場合は該当しない。
5 特別養護老人ホームで介護に従事する者は,介護福祉士に限定されている。
なぜこれらの選択肢がひどいという理由を考えてみましょう。
答えを言うのはのは簡単ですが,自分の頭でその理由を考えることが大切です。
それらは,必ずあなたの得点力につながります。