2019年11月22日金曜日

 「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者住まい法)

「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者住まい法)は,サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を規定する法律です。

この法律を所管しているのは,厚生労働省と国土交通省です。

この組み合わせは,バリアフリー新法と同じです。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?

高齢者向けの賃貸住宅又は老人福祉法に規定する有料老人ホームに高齢者を入居させて,状況把握サービス及び生活相談サービス,その他の高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスを提供する事業。

都道府県知事の登録を受けて,サービス付き高齢者向け住宅となります。

それでは,今日の問題です。


第28回・問題135 高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定するサービス付き高齢者向け住宅に関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 老人福祉法に規定する有料老人ホームの場合,サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けることはできない。

2 サービス付き高齢者向け住宅の登録基準として,各戸の床面積については12m2以上であることが必要とされている。

3 サービス付き高齢者向け住宅において必須とされるサービスは,状況把握サービスのみである。

4 サービス付き高齢者向け住宅の事業者は,入居者に対し契約前に書面を交付して必要な説明を行わなければならない。

5 サービス付き高齢者向け住宅に関する報告徴収,立入検査等の指導監督は,所在地の市町村によって行われる。


この問題は,落ち着いて問題を読むことの大切さを教えてくれるような問題だと思います。


答えは,選択肢4です。

4 サービス付き高齢者向け住宅の事業者は,入居者に対し契約前に書面を交付して必要な説明を行わなければならない。

よくよく読んでみれば,極めて当たり前の内容です。

しかし,ここで深読みしてしまうと,これを正解にすることはできなくなります。

国家試験の問題は,意外と素直に作られています。

社会福祉士の国家試験は難しいという先入観があると素直に問題を読むことができなくなってしまうので注意が必要です。

ほかの選択肢も見てみましょう。


1 老人福祉法に規定する有料老人ホームの場合,サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けることはできない。

高齢者向けの賃貸住宅又は老人福祉法に規定する有料老人ホームが都道府県知事の登録を受けることで,サービス付き高齢者向け住宅となります。


2 サービス付き高齢者向け住宅の登録基準として,各戸の床面積については12m2以上であることが必要とされている。

広さは25 m2です。


3 サービス付き高齢者向け住宅において必須とされるサービスは,状況把握サービスのみである。

「のみ」は,たいていの場合は,間違いとなります。

そのため近年はほとんど「のみ」は使われなくなっています。


5 サービス付き高齢者向け住宅に関する報告徴収,立入検査等の指導監督は,所在地の市町村によって行われる。

サ高住は,都道府県知事の登録を受けます。

介護保険は,保険者権限があります。このために,都道府県が指定した事業者であっても市町村が関与します。

しかし,多くの場合は,指定権者等が指導監督権限を持ちます。

同じように,サ高住は都道府県の範疇です。



<今日の一言>

国家試験は,決して意地悪な出題をしません。

それにもかかわらず,深読みすると,正解にたどり着くことはできません。

素直に丁寧に問題を読むことが大切です。

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