社会福祉士の国家試験の近年の合格率は,25~30%程度です。
合格するのはかなりかなり難しい試験です。
何度受験しても合格できないという人います。
国家試験が終わったら,「知識不足だった」と思うでしょう。
知識不足を実感するなら,その時点ですぐ勉強を始めると良いです。
しかし,同じ勉強方法を繰り返すなら,おそらく今までと同じ結果しか得られない恐れがあります。
最後の最後に必要なものは,「思考力」です。
暗記が通用すると思うと危険です。
第32回の介護福祉士の国家試験問題です。
問題2 利用者の意思を代弁することを表す用語として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 インフォームドコンセント
2 ストレングス
3 パターナリズム
4 エンパワメント
5 アドボカシー
正解は,5です。
社会福祉士の勉強した人なら,正解するのは簡単だと思います。
しかし,第32回の介護福祉士の国家試験の中では,最も難しい問題に位置する問題かもしれません。
社会福祉士の国家試験では,以下のように出題されています。
第32回・問題94 アドボカシーに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ケースアドボカシーとは,クライエントと同じ状況に置かれている人たちの権利を守るために,新たな制度を開発する活動である。
2 コーズアドボカシーとは,クライエントの権利を守るために,法的な手段を用いる活動である。
3 セルフアドボカシーとは,クライエントが自らの権利を主張していく活動である。
4 シチズンアドボカシーとは,同じ課題を抱えるクライエントの代弁や制度の改善・開発を目指す活動である。
5 リーガルアドボカシーとは,一人のクライエントの安定した生活を復権させる活動である。
正解は,選択肢3です。
これも決して難しい問題ではありませんが,介護福祉士の問題と比べると,格段に難しくなっています。
2つの問題の大きな違いは,社会福祉士の問題は,文章になっていることです。
現在の社会福祉士の問題にも,介護福祉士のようなタイプの問題がありますが,つい数年前までは,存在していませんでした。
そういった意味では,かつてよりも現在の社会福祉士の問題の方が,点数が取りやすくなっています。
それを物語るのは,第25回以前は,ボーダーラインは85点を上回ることは少なかったですが,第26回以降は,85点を下回ることがなくなっていることです。
そうは言っても,ほとんどは文章で構成された問題なので,問題を正しく読むことが必要です。
しかも「時間をかければ解ける」ではだめです。
規定の時間内で解けることか必要です。
何度も受験しても合格できない理由の中で,最も大きな比重を占めているのは,問題を読む力不足です。
第31回・問題95 アドボカシーに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ソーシャルワーカー自身の利益のために,サービス利用者の権利を擁護することである。
2 サービス利用者の主体的な生活を実現するために,その意思や権利を代弁することである。
3 サービス提供機関が利用者に訴えられた場合に,サービス提供機関の権利を代弁することである。
4 自らの意思を示すことが困難なサービス利用者の権利を,その家族や友人の判断に基づいて擁護することである。
5 サービス利用者の主張と,利害の対立する相手方の主張とを中立的な立場で調整することである。
正解は,選択肢2です。
これも難易度は決して高くはない問題ですが,文章で構成される問題は,読み間違いや勘違いが発生する可能性があります。
こういった問題をミスすることなく,確実に正解して,点数を積み上げられるように勉強していくことが大切です。
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