現時点(2020年2月下旬)は,国家試験が終わった後です。
参考書や過去問を出版する会社は,来年度の国家試験に向けた準備を進めているところでしょう。
ところで,古い年度の参考書と新しい年度の参考書は,どこが違うと思いますか?
①国家試験で新しく出題されたものを加える。
②統計情報を最新のものに変更する。
③新しくできた制度や変更されたものを加える。
こういったところが変更になるポイントです。
参考書は新しいものがよい
というアドバイスがあります。
新しい参考書は,6月ころから発売されていきます。
そのため,多くの受験予定者は6月以降に購入して,勉強を始めることになります。
それまで4か月もあります。
この間,何も勉強しないというのはあまりにもったいないように思います。
私たちチームfukufuku21は,必ずしも新しい参考書で勉強する必要はないと考えています。
その理由は,
①今まで出題されたことがなかったものが,2年連続で出題されることは少ない。
②年度によって順位が変わるものは出題されにくい。
③国試で細かい数字が問われることはない。例えば,昨年が49.0%で,今年は48.2%,となっているもの。こういったものは,国家試験では,7割を上回っている,といった出題になる。
④制度が変わったものがすぐ出題されることは少ない。多くの場合は,制度変更があってから数年後に出題される。
といった国家試験の特徴があるからです。
これらはすべて重要なことですが,特に
④制度が変わったものがすぐ出題されることは少ない。多くの場合は,制度変更があってから数年後に出題される。
は覚えておきたいです。
法制度は,法ができてからすぐ施行されるものもありますが,多くのものは,準備期間をおいて施行されます。
そのため,制度が変わったものは,前年度版に載っている場合はほとんどです。
第32回では,2019年に施行された法制度も若干出題されていますが,多くのものは,2016年改正や2018年改正です。
模擬試験は数社は受けると思うので,もし,最新の法制度を押さえておかないと心配だという人は,模試で出題されるものを押さえておくと良いと思います。
1問はとても重みがありますが,施行されてすぐのものを知らなかったために正解できないことよりも,これまでに何度も出題されているものをしっかり覚えきれていないことの方が重要です。
第32回・問題44 「平成31年版地方財政白書」(総務省)における民生費に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 地方公共団体の目的別歳出純計決算額のうち,民生費は教育費に次いで多い。
2 都道府県の目的別歳出では,生活保護費の割合が最も高い。
3 都道府県の性質別歳出では,扶助費の割合が最も高い。
4 市町村の目的別歳出では,児童福祉費の割合が最も高い。
5 市町村の性質別歳出では,人件費の割合が最も高い。
地方財政は,本格的に勉強を始めるとわかると思いますが,とても覚えるのが面倒です。
①都道府県+市町村
②市町村のみ
③都道府県のみ
の3種類を覚えることが必要だからです。
合否を分ける1・2点は,こういった問題をいかに確実に正解できるかにかかっています。
詳しい解説は,別の機会に譲ることにしますが,この問題の正解は,選択肢4です。
勉強不足の人は,まず正解できないと思います。
最も多いのは
①都道府県+市町村 → 児童福祉費
②市町村のみ → 児童福祉費
③都道府県のみ → 老人福祉費
となります。いやになるほど覚えるのが面倒です。
このように,3つに分けると順位が変わるものは,複雑なので,勉強した人と勉強が足りない人の差が出やすいので,国家試験にはとても向いています。
ついでに言うと,この問題を正解しにくいのは,伏線があります。
第30回・問題43 「平成31年地方財政の状況」(総務省)が示す2017年度(平成29年度)の地方財政において,次に示す民生費及び特別会計事業の費目のうち,歳出金額が最も多いものを1つ選びなさい。
1 生活保護費
2 児童福祉費
3 老人福祉費
4 介護保険事業費
5 国民健康保険事業費
第32回国試を受験した人のほとんどはこの問題を解いたことがあったはずです。
この問題の正解は,選択肢5の「国民健康保険事業費」です。
民生費だけではなく,特別会計を含めて出題されたことによって,多くの人は見事に引っ掛けられてしまった問題です。
中途半端にこの問題を解いた人は,「児童福祉費は多くない」ということがインプットされていたと考えられます。
民生費と特別会計費を比べると,税財源の民生費よりも,税財源+保険料の特別会計費の規模が多くなります。
しかし,民生費の中では,児童福祉費が最も多いことには変わりがありません。
こういったことを,きっちり覚えていくのは,決して簡単なことではありません。
制度が変わってすぐ出題されるのは,ほんの数問です。
まったく出題されない年もあります。
これでも,まだ新しい参考書で勉強しなければならない,と思いますか?
受験に失敗する人の多くは,準備不足で国家試験に臨んでいます。
勉強時間が潤沢にある人はいません。
早めの準備が最後の最後に大きな差となることを覚えておきたいです。