これから勉強する人にとっては,何から勉強すればよいのかわからずに困ることにもなります。
勉強の仕方は,人それぞれで良いと思いますが,絶対に合格できない勉強は明らかです。
過去3年間の過去問を完璧に覚えても合格するのに必要な知識量には足りない!!
参考書などを使って,国試で得点できる知識を蓄えることがまず先です。
過去問だけで合格できた
ということがあったしたら,それは,テキスト(中央法規の社会福祉士養成講座など)をしっかり読んで,講義をしっかり聞いた,もともとの基礎力をもって,国家試験に臨む人だけだと言えます。
成績優秀者の話を鵜呑みにしてはいけません。
しかし,そういった基礎力をもった人であっても,参考書などで,国試で得点できる知識に変換した方が効率的です。
参考書について
受験ワークブック,レビューブック,合格教科書などをテキストと呼ぶ人がいますが,この学習部屋では,これらを「参考書」と呼びます。社会福祉士養成講座など講義で用いられる「テキスト」と明確に分けます。テキストとはいわゆる教科書のことをいいます。
受験勉強を経験した人なら,テキストではなく,参考書を使って受験勉強したのではないでしょうか。
テキストは詳しく書かれていますが,効率よく学ぶためには参考書が必要だからです。
高校や大学などの参考書と国家試験のための参考書と大きく異なるのは,前者はすべての受験に役立つように作られるのに対して,後者は単一の試験のために作られる点です。
社会福祉士の参考書は,国家試験で出題されたものを分析して作ります。
現時点(2020年2月)は,第32回国試が終わった直後なので,今後出版予定の参考書のための分析をすすめているところでしょう。
5月以降順次出版されていきます。
人によっては,新しい参考書で勉強すると良い,というアドバイスをする人がいますが,新しい参考書を購入せずとも,今あるもので十分使えます。
その理由は
①年度によって順位が変わるものは出題されにくい。
②制度改正されてすぐのものは出題されにくい。
③〇割といったように出題されるので,年度の違いによる細かい数値にこだわる必要がない。
といったことがあります。
それにもかかわらず,出版社が年度版の参考書を発売するのは,年度版にすれば,毎年売れるからです。
年度版でなくてもよい,ということになると,先輩から後輩に譲るということが生じてしまうので,本が売れなくなってしまいます。
新しい版のものは,どこが変わるかと言えば,
①国試で出題されたものを加える。
②最新の数値に変える。
③制度変更に対応する。
の3つのポイントです。
①については,一見さんは2年連続で出題されることは少ない。
②については,先に述べたとおりです。
③については,法制度は,成立してからすぐ施行されないので,大きな改正だとその前の年度のものにも載っています。
といった理由で,必ずしも新しい参考書を購入する必要はないと考えています。
確かにこの原則から外れて,第32回・問題19のような出題もありますが,それは過去問で勉強すれば対応できます。
第31回・問題20 社会的行為の主観的意味を理解することを通して,その過程及び結果を説明しようとする考え方を表す用語として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 合理的選択理論
2 主意主義的行為
3 理解社会学
4 コミュニケーション的行為
5 社会システム論
正解は,選択肢3です。
第32回・問題19 次のうち,パーソンズ(Parsons,T.)の社会的行為論として,正しいものを1つ選びなさい。
1 コミュニケーション的行為論
2 交換理論
3 集合行動論
4 象徴的相互作用論
5 主意主義的行為理論
正解は,選択肢5です。
これは例外中の例外です。
<今日の結論>
国家試験は,受験生の上位30%程度しか合格できない試験です。
他の人と一歩差をつける勉強が大切です。
少なくても3か月の勉強で誰もが合格できる試験ではないことは間違いありません。
3年間の過去問を3回解いても5回解いても合格するのは困難です。
そんなに簡単に合格できるなら,合格率が30%にとどまるはずがありません。
まずは,参考書を使って勉強をスタートしましょう。