2020年2月20日木曜日

日本の社会保障制度の中心は社会保険制度です~その3

試験委員が変わっても,その筋の一流の先生方が考えることは,似たようなものになるのかもしれません。

第32回で出題された問題です。

第32回・問題49 日本の社会保障制度の歴史的展開に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 1950年(昭和25年)の社会保障制度審議会の勧告では,日本の社会保障制度は租税を財源とする社会扶助制度を中心に充実すべきとされた。

2 1961年(昭和36年)に国民皆保険が実施され,全国民共通の医療保険制度への加入が義務づけられた。

3 1972年(昭和47年)に児童手当法が施行され,事前の保険料の拠出が受給要件とされた。

4 1983年(昭和58年)に老人保健制度が施行され,後期高齢者医療制度が導入された。

5 1995年(平成7年)の社会保障制度審議会の勧告で,介護サービスの供給制度の運用に要する財源は,公的介護保険を基盤にすべきと提言された。

この問題の正解は,選択肢5です。

この問題の解説
https://fukufuku21.blogspot.com/2020/02/blog-post_18.html


第27回には以下の問題が出題されています。


第27回・問題50 社会保障制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 1950年の社会保障制度審議会勧告は,日本の社会保障制度について,租税を財源とした社会扶助制度を中心に充実させるとした。

2 1952年の「ILO第102号条約」では,社会保障の給付事由の一つとして,すでに日本の介護保険法にいわれる意味での要介護状態にあることを挙げていた。

3 1962年の社会保障制度審議会勧告は,社会保障制度の体系化を構想し,社会福祉対策を「一般所得階層に対する施策」として位置づけた。

4 1981年の「難民条約」の批准に伴う法整備により,国民年金法,児童手当法,児童扶養手当法,「特別児童扶養手当法」から国籍要件が削除された。

5 1995年の社会保障制度審議会勧告は,後期高齢者医療制度の創設を提言した。

この問題の正解は,選択肢4です。


第27回の問題に関する記事

https://fukufuku21.blogspot.com/2017/11/blog-post_27.html
https://fukufuku21.blogspot.com/2018/03/31.html

根底に流れるのは,日本の社会保障制度の中心は,社会保険制度である,ということです。

それらは,社会保障制度審議会の50年勧告に従ったものです。


<今日の一言>

歴史に関する問題は,どの科目でも出題されます。

それは流れをつかむことで,制度全体の理解を促すためです。

過去は過去の出来事ではなく,今につながっています。

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