2020年2月15日土曜日

第32回国試とは,いったいどんな試験だったのだろうか?

毎年のことですが,国家試験が終わると「今までで最も難しい問題だった」といった感想が聞かれます。

本当にそうなのでしょうか。

現時点(2020年2月)では,第33回国家試験に向けた勉強を始めている人はほとんどいないと思います。

もしこの記事を見ることがあったなら,それは夏以降のことではないかと思います。

これこそが,自分が受ける国家試験が難しいと感じる理由です。

勉強を始めるときには,新しい情報が加わった参考書を使って勉強します。
解けるか解けないかは別にして,その後に問題を解くと,本当に初めて目にするものではなくなっています。

模擬試験がとてつもなく難しく感じるのは,国家試験と同じように,参考書などに載っていないものを出題するからです。

難しく感じた模擬試験でさえ,何度か繰り返してと解いていくうちに,慣れていきます。

そして,国家試験を迎えます。


国家試験は,少しずつ重なっていて,少しずつ違う


毎年必ずこのように出題されています。

決して,自分が受験したときの国家試験が最も難しかったということはありません。

本当にそうなったのは,今のカリキュラムの国家試験になった以降では,第25回のみです。

第32回国家試験を受験された方は,落ち着いて問題を読めば解けた問題が必ずあるはずです。

それはとても悔しいことですね。


知識不足は,知識を蓄えることが必要です。

しかし,知識を蓄えても,確実に正解できる問題は確実に正解できないと得点は伸びません。


第32回・問題11 前期高齢者(65~74歳)における認知機能や知的機能の一般的な特徴について,適切なものを1つ選びなさい。

1 作動記憶の機能は,加齢による影響が顕著にみられる。

2 エピソード記憶の機能は,加齢による影響がほとんどみられない。

3 意味記憶の機能は,加齢による影響が顕著にみられる。

4 流動性知能は,加齢による影響がほとんどみられない。

5 結晶性知能は,加齢による影響が顕著にみられる。



正解は,選択肢1です。

1 作動記憶の機能は,加齢による影響が顕著にみられる。

作動記憶(作業記憶=ワーキングメモリー)は,計算などに用いられる記憶です。
加齢が作動記憶にどのように影響を与えるかどうかは,記憶研究の専門家でなければ,よく知らないと思います。

しかし,この問題は,ほかの選択肢を消去することでこの選択肢が残るように作られています。


<今日のまとめ>


合格に必要なのは,確実な知識です。

社会に目を向けることはもちろん重要だと思いますが,得点力を高めるのは,そういったことではないように思います。

「SDGs」や「ニッポン一億総活躍プラン」などが出題されると本当にびっくりするでしょう。

どんなに勉強しても必ずこういったものが出題されます。

毎年必ず一定数出題されます。

びっくりしても,落ち着いて問題を読めば,多くの問題は正解が見えてきます。

第32回の国家試験問題を解いてみて,本当に合格に必要なのは,国試に出題されるものを確実に覚えることだということを確信しています。

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