2022年2月4日金曜日

DSM-5について

DSM-5は,アメリカ精神医学会が作成した「精神疾患の診断・統計マニュアル」の第5版です。


出題頻度が高いですが,DSM-5のマニュアルを読まないとわからないような問題もあります。


どこまで勉強したらいいの? と思う人もいるでしょう。


確実に覚えておきたいのは,統合失調症と気分障害でしょう。


発達障害は,第33回国試に出題されたばかりなので,出題はしばらくないと思います。


それでは今日の問題です。


第31回・問題7 精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)における「神経性やせ症/神経性無食欲症」の診断基準に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 はっきりと確認できるストレス因がある。

2 体重は標準体重以上である。

3 対人恐怖がある。

4 やせることに対する恐怖がある。

5 過食を生じるタイプもある。


統合失調症と気分障害,と言っていたのに,「まさかの神経性無食欲症?」と思う人もいるでしょう。


しかし,それほどは難しくありません。


神経性やせ症/神経性無食欲症は,いわゆる拒食症です。


古い人は,カーペンターズのカレンさんが拒食症で亡くなったことを覚えている人もいるのではないかと思います。


日本人に拒食症が広く知れ渡ったのは,この出来事であったのではないかと思います。


神経性やせ症/神経性無食欲症が,いわゆる拒食症であることがわかれば,消去法で答えは見つけ出すことができるのではないかと思います。


それでは,解説です。


1 はっきりと確認できるストレス因がある。


ストレスによる人もいるかもしれません。しかし,多くの場合,「痩せていることが美しいことだ」と思って痩せていきます。


2 体重は標準体重以上である。


食べない,あるいは食べても吐き出すといったことがあるので,体重が減っていきます。


3 対人恐怖がある。


対人恐怖はありません。


4 やせることに対する恐怖がある。


恐怖があるのは,太ることです。


5 過食を生じるタイプもある。


これが正解です。


いわゆる拒食症なのに,過食があるの? と思う人もいるでしょう。

拒食症と過食症は,一体でみられることもあります。

最新の記事

成年後見人の職務

  成年後見人の職務は,身上監護と財産管理です。   法務省の資料によると,それぞれ以下のように説明しています。   身上監護とは,ご本人の生活や健康の維持,療養等に関する仕事です。例えば,ご本人の住まいの確保,生活環境の整備,施設に入所する契約,...

過去一週間でよく読まれている記事