今後,国家試験を受験される方にお伝えしたいのは,基本ポイントをしっかり押さえることができれば,必ず合格できるということです。
社会福祉士の国家試験の範囲が広いのは確かですが,果てしないわけではありません。
国家試験の合格基準点は,受験者の出来によって上下しているので,不安になると思います。
しかし,それは問題の難易度によって変化する話です。
難しい問題が多ければ,合格基準点は下がります。
難しい問題が少なければ,合格基準点は上がります。
ただ,それだけのことです。
第34回・問題8 次の記述のうち,レスポンデント(古典的)条件づけの事例として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 デイサービスの体験利用をしたら思ったよりも楽しかったので,継続的に利用するようになった。
2 自動車を運転しているときに事故に遭ってから,自動車に乗ろうとすると不安な気持ちを強く感じるようになった。
3 試験前に時間をかけて勉強することで高得点が取れたので,次の試験前にも勉強に時間をかけるようになった。
4 おもちゃを乱暴に扱っていた子どもに注意をしたら,優しく扱うようになった。
5 工事が始まって大きな音に驚いたが,しばらく経つうちに慣れて気にならなくなった。
オペラント条件づけとレスポンデント条件づけは,心理学理論の中では,基本中の基本です。
しかし,わかりにくいからあえて出題されます。
そういった意味では実によい出題だと言えるでしょう。
さて,レスポンデント条件づけの特徴は,何でしょうか
というよりもオペラント条件づけとの違いは何でしょうか。
レスポンデント条件づけは,刺激がそのまま反応に変わります。
そうなっているのは,選択肢2しかありません。
2 自動車を運転しているときに事故に遭ってから,自動車に乗ろうとすると不安な気持ちを強く感じるようになった。
S R
事故に遭ったこと → 不安な気持ち
1 デイサービスの体験利用をしたら思ったよりも楽しかったので,継続的に利用するようになった。
3 試験前に時間をかけて勉強することで高得点が取れたので,次の試験前にも勉強に時間をかけるようになった。
「楽しい」「高得点が取れた」というワンクッションがあるので,レスポンデント条件づけではありません。
4 おもちゃを乱暴に扱っていた子どもに注意をしたら,優しく扱うようになった。
これは,オペラント条件づけの正の罰です。
注意する → 正
乱暴に扱う行為が減少する(優しく扱う) → 罰
5 工事が始まって大きな音に驚いたが,しばらく経つうちに慣れて気にならなくなった。
これは馴化でしょう。
〈今日の一言〉
今回取り上げた問題を覚えても覚えなくても,次回の国家試験には,おそらく関係しません。
重要なことは,学習理論の基礎の基礎を理解することです。
そうすれば,今日の問題も正解できるでしょうし,学習理論全般の問題も正解できます。
最も役立たない勉強は。自分が受験する国家試験の一つ前の国家試験の問題を一生懸命覚えるものです。
自分が受験する時には,一つ前の国家試験の問題がそのまま出題されることはおそらくないからです。
ここを間違えると大変なことになります。