現時点(2022年2月11日)では,国家試験が終わって約1週間となります。
試験直後と異なり,今は冷静に問題を振り返ることができているのではないかと思います。
国家試験会場では,とてつもなく難しく思えた問題であっても,今,改めて問題を見てみると,なんでこんな問題を間違ったのだろうと思うこともあります。
正解できそうな問題で正解できることが合格に必要です。
ミスが少ない人は合格し,ミスが多い人は不合格になる。
国家試験とはそんなものです。
例えば,こんな問題です。
第34回・問題45 「令和3年版地方財政白書」(総務省)における2019年度(令和元年度)の民生費に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 地方公共団体の目的別歳出純計決算額の構成比は,高い方から,教育費,公債費,民生費の順となっている。
2 民生費の目的別歳出の割合は,市町村では児童福祉費よりも社会福祉費の方が高い。
3 民生費の目的別歳出の割合は,都道府県では生活保護費よりも老人福祉費の方が高い。
4 民生費の性質別歳出の割合は,市町村では扶助費よりも人件費の方が高い。
5 民生費の性質別歳出の割合は,都道府県では補助費等よりも扶助費の方が高い。
「よりも」が含まれると,ミスしやすい傾向にあります。
何度も何度も似た問題でしょう。
「よりも」のような比較するものは,「高い」「大きい」ものに〇をつけながら問題を読むのがコツです。
選択肢1 「民生費」
選択肢2 「児童福祉費」
選択肢3 「老人福祉費」
選択肢4 「扶助費」
選択肢5 「補助費等」
知識がなければ,あるいは知識があいまいであれば,話になりませんが,多くの人は,必ず勉強して試験に臨んだものでしょう。
これを勉強せずに何を勉強する? といったものです。
しかし,先に書いたように「よりも」は,ミスを誘う問題なのです。
問題文に印をつけながら問題を読む,というちょっとした工夫がミスをなくし,得点することにつながります。
この問題の正解は,選択肢3です。
3 民生費の目的別歳出の割合は,都道府県では生活保護費よりも老人福祉費の方が高い。
目的別歳出の割合の1位
市町村+都道府県 児童福祉費
市町村 児童福祉費
都道府県 老人福祉費
のようになっています。生活保護が増えている,というイメージがありますが,保護率はわずか1.7%。
高齢者福祉や児童福祉を利用する人の方が当然多いです。市町村も都道府県も生活保護費は多くありません。