社会学の伝統的な研究領域の一つには,社会変動があります。
社会変動とは,社会の様子がどのように変わっていくかを示すものです。
ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへ
軍事型社会から産業型社会へ
などです。
さて,今回のテーマは,属性主義と業績主義です。
属性主義とは,自分の出自などによって地位が決まっている社会のことです。
業績主義とは,自らの努力などによって地位が変化していく社会のことです。
このように変化することを社会移動といいます。
それでは,今日の問題です。
第31回・問題17 近代社会の特質の一つとして,出自や性別など属性ではなく個人の教育達成や職業選択によって,流動的に社会移動するようになることが指摘できる。このことを示す用語として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 民主主義
2 業績主義
3 産業化
4 合理化
5 機能分化
近年こういった問題が見られるようになってきています。
文章問題ではないので,読む時間を大幅に短縮できるラッキー問題です。
しかし,それは知識がある人にとっての話です。知識不足の人が正解するのは困難です。
正解は,業績主義です。
この5つの選択肢の中で,わかりにくいものは機能分化でしょう。
機能分化とは,機能がわかれている社会です。
社会が発展していないときは,一人がいろいろな機能を果たさなければなりません。
地域の紛争を解決する。
子どもの世話をする。 など
社会が発展すると,地域の紛争を解決するのは法律家,子どもの世話をするのは保育施設,といった感じで,機能がわかれます。
いかにも社会変動という感じがしませんか?