2022年2月26日土曜日

属性主義と業績主義

社会学の伝統的な研究領域の一つには,社会変動があります。


社会変動とは,社会の様子がどのように変わっていくかを示すものです。


ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへ


軍事型社会から産業型社会へ


などです。


さて,今回のテーマは,属性主義と業績主義です。


属性主義とは,自分の出自などによって地位が決まっている社会のことです。


業績主義とは,自らの努力などによって地位が変化していく社会のことです。


このように変化することを社会移動といいます。


それでは,今日の問題です。


第31回・問題17 近代社会の特質の一つとして,出自や性別など属性ではなく個人の教育達成や職業選択によって,流動的に社会移動するようになることが指摘できる。このことを示す用語として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 民主主義

2 業績主義

3 産業化

4 合理化

5 機能分化


近年こういった問題が見られるようになってきています。

文章問題ではないので,読む時間を大幅に短縮できるラッキー問題です。


しかし,それは知識がある人にとっての話です。知識不足の人が正解するのは困難です。


正解は,業績主義です。


この5つの選択肢の中で,わかりにくいものは機能分化でしょう。


機能分化とは,機能がわかれている社会です。


社会が発展していないときは,一人がいろいろな機能を果たさなければなりません。


地域の紛争を解決する。

子どもの世話をする。 など


社会が発展すると,地域の紛争を解決するのは法律家,子どもの世話をするのは保育施設,といった感じで,機能がわかれます。


いかにも社会変動という感じがしませんか?

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