介護サービス相談員は,以前は,介護相談員と言われていたものです。
そのため,今日の問題は介護相談員と出題されていますが,介護サービス相談員と読み替えてください。
さて,それでは今日の問題です。
第25回・問題132
介護保険制度にかかわる専門職や人材に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 介護支援専門員は,要介護者等からの相談に応じ,サービス利用に向けて事業者等と連絡調整を行う者で,介護支援専門員実務研修受講試験の合格をもって登録される。
2 訪問介護員は,要介護者等に対して,入浴・排せつ等の介護その他の日常生活上の世話を行う者で,介護員養成研修修了者に限りその業務が認められている。
3 福祉用具専門相談員は,要介護者等への福祉用具の貸与等にかかわる相談や助言を行う者で,介護保険施設に配置される。
4 介護相談員は,介護サービス提供の場を訪ね,サービス利用者等の話を聴き,相談に応じる者で,利用者の疑問や不満の解消やサービスの質の向上を図る。
5 介護認定審査会の委員は,要介護(要支援)認定の申請を行った者につき,本人に面接し,心身状況,置かれている環境などについて調査をする。
介護サービス相談員は,都道府県の研修,あるいは指定研修を受けて,市町村に登録して活動します。
介護保険の地域支援事業の任意事業(介護サービスの質の向上に資する事業)なので,市町村が条例で定めて介護サービス相談員派遣事業を実施します。
しかし条例で定めている市町村はあまり多くありません。
派遣を希望する介護保険サービス事業者等に対して,市町村が介護サービス相談員を派遣します。
派遣された介護サービス相談員は,
・利用者の話を聞き、相談にのる
・サービスの現状把握に努める
・事業所の管理者や従事者と意見交換する
などを行いサービス提供等で気づいたこと,あるいは提案がある場合,事業所にその旨を伝えます。
介護サービス相談員は,若干の報酬はもらえますが,基本はボランティアです。積極的な問題解決を図るような性格のものではありません。
それでは詳しく見て行きましょう。
1 介護支援専門員は,要介護者等からの相談に応じ,サービス利用に向けて事業者等と連絡調整を行う者で,介護支援専門員実務研修受講試験の合格をもって登録される。
ケアマネ試験と一般的に言われますが,正しくは,「介護支援専門員実務研修受講試験」です。実務研修を受講する資格を得るための試験です。
これを受講して,登録することで晴れて介護支援専門員となります。
よって間違いです。
実務研修のカリキュラムが変わり,現場の「見学」が新しく加わっています。
カリキュラムに加わっても,実習生を受け入れしてくれる事業所がないと研修が成り立たなくなってしまいます。
国は頭がいいなぁと思うのは,この改正に伴って,特定事業所加算の算定要件に実習受け入れを加えたことです。
2 訪問介護員は,要介護者等に対して,入浴・排せつ等の介護その他の日常生活上の世話を行う者で,介護員養成研修修了者に限りその業務が認められている。
ヘルパー研修は,かつては1級から3級までありましたが,現在は廃止されています。
指定訪問介護事業者の訪問介護は,旧ヘルパー(1・2級),介護福祉士,介護職員初任者講習修了者,実務者研修修了者が行うことが認められます。
よって間違いです。
3 福祉用具専門相談員は,要介護者等への福祉用具の貸与等にかかわる相談や助言を行う者で,介護保険施設に配置される。
福祉用具専門相談員は,介護保険施設ではなく,福祉用具貸与事業所等に配置されます。
よって間違いです。
任用資格は,福祉用具専門相談員指定講習を修了した者ですが,社会福祉士,介護福祉士は指定講習を修了しなくてもなることができます。
指定講習を指定するのは,もちろん都道府県の役割です。
4 介護相談員は,介護サービス提供の場を訪ね,サービス利用者等の話を聴き,相談に応じる者で,利用者の疑問や不満の解消やサービスの質の向上を図る。
これが正解です。
都道府県等が実施する研修を受けて,介護サービス相談員になります。しかし基本はボランティアであることを忘れてはなりません。
5 介護認定審査会の委員は,要介護(要支援)認定の申請を行った者につき,本人に面接し,心身状況,置かれている環境などについて調査をする。
介護認定審査会は,一次判定を踏まえて,要介護認定のための二次判定を行う機関です。
置かれるのは市町村です。
介護保険審査会は都道府県に設置されます。
言葉が似ているので読み間違いしないように気を付けましょう。
訪問調査を行うのは,介護認定審査会の委員ではなく,訪問調査員です。
よって間違いです。