2018年2月10日土曜日

合格できる勉強法~歴史問題への対応策

年号を覚えるのが苦手

こういう方は多いと思います。

しかし,社会福祉士の国家試験で,年号が分からなくて点数が取れない問題はほとんどありません。

第30回国試では,久々に歴史っぽい問題がありました。

第30回・問題131

 高齢者に関わる保健医療福祉施策に関する次の記述のうち,施策の開始時期が最も早いものを1つ選びなさい。

1 老人福祉法による70歳以上の者に対する老人医療費支給制度

2 老人保健制度

3 老人福祉法による65歳以上の者に対する健康診査

4 介護保険制度

5 高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)

こんな問題を見せつけられると,年号を覚えなければならないのか,

年号を覚えていなければ解けない試験ではありません。

しかし,第30回国試の中では,もっとも答えを迷うものだと思います。

なぜなら,

老人医療費支給制度 1973年 老人医療費無料化

老人保健制度 1982年 老人医療費一部負担の導入

介護保険制度 2000年

ゴールドプラン 1989年

は,それぞれ節目となった事柄ですが,健康診査はいつからあったか,はっきり覚えていた人は少ないと思われるからです。


推論ポイント

①なぜ他の制度よりも印象が弱いのか。

②健診制度はいつごろからあったのか。

まず,①です。

途中の改正で加わった制度ではなく,最初からあったためではないか。

そこで②の健診制度を考えます。

健診と言えば,母子保健法による1歳6か月健診と3歳児健診があります。
母子保健法は1965年の法律です。

この2つから老人福祉法が成立した時に,65歳以上の高齢者に対する健診制度が導入されたと結論付けます。

答えは,やっぱり選択肢3です。

年号が,1973年でも1974年でも,1997年でも2000年でも,細かいことは問われることはありません。

そんなことにとらわれて,大事な内容を覚えることができないのは,本末転倒です。

1960年代,70年代,80年代,などざっくりした理解で十分です。

知識が足りない部分は,知っている事柄でつなぎ合わせて,埋めていくことがこの国試の最大の戦術です。

どんなに勉強しても,5つの選択肢がすべて分かる問題はほとんどないからです。

追記(2018/03/03)

この問題がなぜ正解することができなかったのか。

その本当の理由は・・・

第29回・問題127

問題127 老人福祉法の展開に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 老人福祉法制定時(1963年(昭和38年))には,特別養護老人ホームは経済的理由により居宅において養護を受けることが困難な老人を収容するものとされていた。
2 65歳以上の者に対する健康診査事業は,老人医療費支給制度の導入時(1972年(昭和47年))に法定化された。
3 高齢者保健福祉推進十か年戦略(1989年(平成元年))を円滑に実施するため,老人福祉計画の法定化を含む老人福祉法の改正(1990年(平成2年))が行われた。
4 老人家庭奉仕員派遺制度は,老人福祉法改正時(1990年(平成2年))に,デイサービスやショートスティと共に法定化された。
5 介護保険法の全面施行(2000年(平成12年))に合わせて,老人福祉施設等の入所事務が都道府県から町村に権限移譲された。

この問題が,前年にあったからでしょう。

正解は2。  正解は3。

65歳以上の者に対する健康診査事業が法定化されたのは,1972年(昭和47年)です。
法定化されたのが,この年であって事業自体はそれ以前からあった,ということです。

そしてさらには,70歳ではなく,65歳です。

2018/03/11 追記&訂正

法定化されたのは,予想通り,1963年の老人福祉法の成立時だったようです。

そうなると,第30回・問題131が解けなかったのは,第29回の問題があったから,ということではなく,本当に歴史が苦手な人が多いということなのだと思います。

最新の記事

国家試験に合格にするためは捨てる勇気も必要です

どれだけ勉強してもこれでよいと思えないのが辛いところです。   分からないものがあると更に不安は募ることでしょう。   心が不安に支配されると国試では力が発揮できないのでできるだけ排除したいものです。   国試は,6割程度取れれば合格できます。   ...

過去一週間でよく読まれている記事