2018年2月17日土曜日

社会福祉士の国家試験で合格できる覚え方~人物編(日本)

人物の名前を覚えるのが苦手

多くの人が感じています。

特に外国人の名前を覚えるのは,面倒だと思います。

しかし,多くは一見さん

参考書を見るとたくさん覚えないといけない,と思うかもしれません。

2回以上出題されているのはとても少ないです。

試験委員は,本当に留岡幸助が好きなんだと思います。

第30回国試では,実に2回も出題されています。

今年は,糸賀一雄の人物紹介がありましたが,かつては,留岡幸助の手記が出題されて,この手記を書いたのはだれ?

なんて出題もあったくらいです。

常連さんは,本当に少ないです。

しかも,答えは常連さんに置かれることがほとんどです。

福井達雨(ふくい・たつう)さんは,国試では初めて出題されましたが,まだご健在の方です。きっと糸賀一雄たちと同じく後世に語り継がれていく人になることでしょう。

因みに知的障害児施設「止揚(しよう)学園」の創立者です。

留岡幸助の手記に関する出題

第19回・問題103 以下の文章は,著者自身が行ってきた実践の内容について記述したものである。この文章の著者として,次のうち,正しいものを一つ選びなさい。

 人間社会で悪くなった者を人間の多い社会で善くするという事は極めて難しい…。…葱は不良少年に作られたからというて,汝が作るのだから成長してやらないとは申しますまい。不良少年といえども正直に労働さえすれば必ず好く出来るに違いない。そこで不良少年は考えるであろう,人間は我を不良少年として取り扱うけれども,馬鈴薯や葱は我を不良少年と見て居らぬと見える,いかんとなれは骨折りて労働さえすれば馬鈴薯も葱も善く出来ると,しかして…不良少年も大いに面白味を感じて仕事に精出すようになります,これがすなわち自然の感化であります。

 …私は同じ主義方針で巣鴨の地で少年を教育しましたが,…自然の背景の下で少青年を教育してみたいというので,北海道…の原生林に一千町歩の土地払い下げを出願し,遂に大正3年7月の下旬移住することにしました。

(注)日本図書センター発行の「人間の記録」シリーズの約82巻より抜粋。
 なお,原典である『自然と児童の教養』(大正13年刊行)の文章が一部変更されている。

1 石井十次
2 石井亮一
3 野口幽香
4 留岡幸助
5 高木憲次


答えは,留岡幸助です。

この問題を見た人は,度肝を抜かれた思いだったでしょう。

この問題のポイントは,巣鴨と北海道です。特に北海道の施設が出題されるのは,北海道家庭学校しかありません。

別な言い方をすれば,北海道なのに留岡幸助以外の名前が出てきたら間違いだと判断できます。

この問題では,第30回国試でも出題された高木憲次の名前があります。

日本人の常連さんの出題は以下の通り。

 
留岡幸助
石井十次
石井亮一
野口幽香
糸賀一雄
家庭学校
岡山孤児院
滝乃川学園
双葉幼稚園
近江学園
3
 
4
 
 
 
5
 
 
 
6
 
 
 
7
 
 
 
 
 
8
 
 
 
9
 
 
 
 
 
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20
 
 
 
 
 
21
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25
 
 
 
 
 
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28
 
 
 
29
 
 
 
 
 
30
 
31
 
 
 
 
 
32
 
 
 
 
 
12
10
6
4
8


これらで,すべての人たちが出題されている回は,第21回と第26回です。

第26回・問題138

1 高木憲次は,愛知県北西部から岐阜県下にかけて大きな被害をもたらした濃尾大震災の孤児を救済するために,光明学校を設立した。

2 留岡幸助は,少年教護法の制定後,非行少年の教護事業を目的とした家庭学校を東京巣鴨に設立した。

3 石井亮一は,アメリカの発達保障の理論を持ち帰り,近江学園を設立した。

4 山室軍平は,イギリスのバーナード(Barnard,T.)が建てたビレッジ・ホームを模した小舎制のキングスレー館を設立した。

5 野口幽香は,貧困家庭の子ども等,不幸な境遇にある子女に対して幼児教育を行うために,二葉幼稚園を設立した。

この問題の解説はこちら

 ↓   ↓


この問題では,またまた高木憲次が出題されています。

しかし,高木先生は残念ながら,間違い選択肢としてしか出題されない存在です。高木先生は,日本初の肢体不自由療育施設の整肢療護園の初代理事長を務められました。彼はこの功績で「肢体不自由児の父」と呼ばれています。

高木先生が出題されたのは,第19・26・30回です。次に出題されることがあると,第34回以降ということになるのではないでしょうか。


<今日のまとめ>

本当に覚えなければならない人物は本当に一握りです。

石井十次石井亮一が覚えられないという人もいるでしょう。

それらの人物をもしどうしても覚えられないというのでしたら,ネットで調べてみるのも一つの手です。

その人の生きざまが見えてきます。写真などもあるので,しっかり頭に残ります。

今なら時間がたっぷりあるので,こういうところに時間がかけられます。

石井十次石井亮一は,どちらも参考書では並んで書かれていると思いますが,出題回数は全然違います。

石井十については,彼のスポンサーだった大原孫三郎まで出題されています。

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