社会福祉士の資格は,平成とともに歩んできました。
平成元年に第1回国家試験が実施されたので,年号と実施回が同じなのでとても分かりやすいものです。
つまり平成30年には第30回国家試験といったようになっています。
しかし,それは平成31年に実施される第31回で終わりです。第32回からは新しい年号による国家試験になります。
そういう面で,第32回国試は新しい幕開けの国試となります。
さて,それがどんなものになるかは今のところは想像することはできません。
どんな内容になろうとも,基礎力が大切なことは変わりません。
リベンジを目指す方へ
第25回以降,国試の文字数は一貫して減少してきています。
最も合格基準点が上がった第30回国試問題の中では,以下は難易度が高い部類に入る問題です。
第30回・問題32
社会福祉協議会の歴史に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 1951年(昭和26年)に,現在の全国社会福祉協議会の前身となる中央慈善協会が設立された。
2 1962年(昭和37年)に,全国社会福祉協議会は「社会福祉協議会基本要項」の中で,社会福祉協議会の基本的機能はコミュニティ・オーガニゼーションの方法を地域社会に適用することであるとした。
3 1979年(昭和54年)に,全国社会福祉協議会は「在宅福祉サービスの戦略」の中で,ボランティアが行政サービスを代替すべきであると提言した。
4 1983年(昭和58年)に,都道府県社会福祉協議会による事業が拡大する中で,都道府県社会福祉協議会が法的に位置づけられた。
5 1992年(平成4年)に,全国社会福祉協議会は「新・社会福祉協議会基本要項」の中で,「住民主体の原則」を初めて明文化した。
この問題の文字数は決して多くはないですが,ほかの問題に比べると長い方です。
このくらいの文字数まで戻されてしまうと,解きにくい問題ばかりになってしまう危険性があります。
この問題の正解は選択肢2です。
しかし,すぐ答えにたどり着くことはできません。
しっかりした知識をもって,他の選択肢が消去できることが正解できるコツです。
『社会福祉協議会基本要項(1962)』
社会福祉協議会はひろく住民の福祉増進を目的とする組織であるので,その機能は広範かつ多岐にわたることはいうまでもない。しかし社会福祉協議会の基本的機能はコミュニティ・ オーガニゼーションの方法を地域社会にたいして総合的に適用することである。
と述べられています。
参考書や来年度の模擬試験は,おそらく社会福祉協議会基本要項を深掘りするものもあるでしょう。
試験対策の先生も,「社会福祉協議会基本要項に目を通しておきましょう」と言うでしょう。
しかし,これ以上決して深掘りはしないのが社会福祉士の国試の特徴です。
出題範囲が広いため,深掘りしてしまうと,本当に覚えてもらいたいものが出題できないからです。
<今日の一言>
国試には「あと数点の壁」というものが存在します。
しかもこの壁はとてつもなく高くそびえたちます。
次回の国試で,合格を期すためには,基礎力をつけることが極めて重要です。
そうすれば,合格への道は必ず開かれます。
チームfukufuku21と一緒に合格を目指していきましょう!!
(2019/08/01追記)
第31回国試は,第28回国試程度の文字数まで長くなりました。
第32回国試も第31回程度の文字数で出題されるでしょう。
それでも,第25回のような問題になることはありません。
じっくりしっかり実力を積み上げた人が合格する国試となるでしょう。
最新の記事
障害者総合支援法に規定される障害福祉サービスの実施主体
障害者総合支援法に規定される障害福祉サービスの実施主体は,市町村です。 同法における都道府県の役割は,障害福祉計画の作成,地域生活支援事業の実施,障害福祉サービス事業者等の指定などに限られます。 なお,自立支援医療には,育成医療,更生医療,精神通院医療の3種類がありますが,このう...
過去一週間でよく読まれている記事
-
ソーシャルワークは,ケースワーク,グループワーク,コミュニティワークとして発展していきます。 その統合化のきっかけとなったのは,1929年のミルフォード会議報告書です。 その後,全体像をとらえる視座から問題解決に向けたジェネラリスト・アプローチが生まれます。そしてシステム...
-
問題解決アプローチは,「ケースワークは死んだ」と述べたパールマンが提唱したものです。 問題解決アプローチとは, クライエント自身が問題解決者であると捉え,問題を解決できるように援助する方法です。 このアプローチで重要なのは,「ワーカビリティ」という概念です。 ワー...
-
様々なアプローチは,毎年必ず出題されています。 しかも3~4問が出題されています。 ようやく出題実績のある12種類が揃いました。 ・心理社会的アプローチ 「 状況の中の人 」を基本概念として,心理社会的に課題のあるクライエントに対して,コミュニケーションを通して関わってい...
-
ホリスが提唱した「心理社会的アプローチ」は,「状況の中の人」という概念を用いて,クライエントの課題解決を図るものです。 その時に用いられるのがコミュニケーションです。 コミュニケーションを通してかかわっていくのが特徴です。 いかにも精神分析学に影響を受けている心理社会的ア...
-
近年の出題基準から「日本社会福祉士会倫理綱領」が消えています。 第 37 回国家試験から新しいカリキュラムに移行しますが,そのカリキュラムでは「社会福祉士の倫理綱領」が示されています。 日本社会福祉士会も組織メンバーである日本ソーシャルワーカー連盟が「ソー...
-
1990年(平成2年)の通称「福祉関係八法改正」は,「老人福祉法等の一部を改正する法律」によって,老人福祉法を含む法律を改正したことをいいます。 1989年(平成元年)に今後10年間の高齢者施策の数値目標が掲げたゴールドプランを推進するために改正されたものです。 主だった...
-
先日からソーシャルワークの発展過程を取り上げています。 取り上げる順番が逆になってしまいましたが,今回からケースワークの源流について学んでいきたいと思います。 まずは「現代社会と福祉」で学ぶ領域を押さえておきたいと思います。 イギリスでは,領主による「エンクロージャー...
-
今回から,質的調査のデータの整理と分析を取り上げます。 特にしっかり押さえておきたいのは,KJ法とグラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)です。 どちらもとてもよく似たまとめ方をします。特徴は,最初に分析軸はもたないことです。 KJ法 川喜多二郎(かわきた・...
-
今回は,グループワーク(集団援助技術)の主な理論家を学びます。 グループワークの主な理論家 コイル セツルメントやYWCAの実践を基盤とし,グループワークの母と呼ばれた。 また,「グループワーカーの機能に関する定義」( ...
-
社会学の伝統的な研究領域の一つには,社会変動があります。 社会変動とは,社会の様子がどのように変わっていくかを示すものです。 ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへ 軍事型社会から産業型社会へ などです。 さて,今回のテーマは,属性主義と業績主義です。 属性主義 とは,自分の出自な...