2018年2月2日金曜日

最後の力を振り絞って~更生保護制度で得点するポイント

更生保護制度は,順番では最後の科目になるので,おそらく多くの人は最も勉強に時間をかけない(かけていられない)科目かもしれません。

就労支援サービスと更生保護制度は,2科目で1群となり,8問中1点得点出来れば,いわゆるドボンは免れます。

しかし,更生保護は,出題される法律は,基本的には,更生保護法と医療観察法しかなく,極めて覚えるアイテムは少ないので,1点どころか3点,あるいは4点(満点)を取ることも可能だと思います。

それでは,今日の問題です。


第23回・問題147

更生保護制度の概要に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい 。

1 更生保護は,社会の保護を目的とすることから,社会福祉とは方法は異なっても対象とする者は全く同じである。

2 更生保護の対象者のうち18歳未満の者は,児童福祉法が該当する児童に該当するから,基本的には児童相談所が主務庁となる。

3 更生保護とは,心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し,その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図ることである。

4 更生保護は,刑事司法の一翼を担うが,脱施設化の社会的趨勢の中で,地方公共団体が行う法定受託事務とされている。

5 更生保護は,犯罪をした者及び非行のある少年が,再び犯罪をすることを防ぎ又はその非行をなくし,善良な社会の一員として自立し,改善更生することを助けるものである。


知らないといやだなぁ,と思うような内容ですが,知っているととてもシンプルな問題です。

というか,勉強した人なら,消去法ではなく,「答えはこれだ」と思えた問題化もしれません。


それでは,詳しく見て行きましょう。


1 更生保護は,社会の保護を目的とすることから,社会福祉とは方法は異なっても対象とする者は全く同じである。

おかしな問題です。

更生保護は,犯罪者,非行少年が対象です。社会福祉の対象はすべての国民です。

よって間違いです。


2 更生保護の対象者のうち18歳未満の者は,児童福祉法が該当する児童に該当するから,基本的には児童相談所が主務庁となる。

18歳未満の者は,児童福祉法の対象です。そのため主務庁は児童相談所です。

しかし,保護観察となった児童(更生保護の対象者)は保護観察所が主務官庁となります。

よって間違いです。

更生保護は,児童福祉法による児童相談所の事務の範囲外です。シンプルに考えてみると良いでしょう。


3 更生保護とは,心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し,その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図ることである。


心身喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し,その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図ることを目的としているのは,更生保護ではなく,医療観察制度です。


4 更生保護は,刑事司法の一翼を担うが,脱施設化の社会的趨勢の中で,地方公共団体が行う法定受託事務とされている。


更生保護制度は,国の責任で行うものです。法定受託事務には成り得ません。

よって間違いです。

5 更生保護は,犯罪をした者及び非行のある少年が,再び犯罪をすることを防ぎ又はその非行をなくし,善良な社会の一員として自立し,改善更生することを助けるものである。

これが正解です。

更生保護は,社会内処遇です。国試では何度も矯正施設でとか別なものが出題されていますが,「社会内処遇」です。しっかり覚えておきましょう。



<最終チェック~更生保護に関する類似問題>

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