科目
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問題
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人名
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過去の出題実績
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心理学理論と心理的支援
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10
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ビネー(知能検査)
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第3・5・7・9・12・17・19・20・30回
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12
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ピアジェ(発達理論)
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第3・10・11・17・18・22・30回
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社会理論と社会システム
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17
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ウェルマン
(コミュニティ)
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第24・28・30回に出題
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現代社会と福祉
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22
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ロールズ(正議論)
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第23・28・30回
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27
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ブレア(イギリスの福祉政策)
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第21・22・23・25・26・30回
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30
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貧困
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ポーガム
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初出題
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タウンゼント
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第4・10・14・19・22・23・26・27・30回
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ピケティ
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初出題
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ラウントリー
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第3・4・7・18・19・21・22・23・26・27・30回
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リスター
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第27・30回
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相談援助の基盤と専門職
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95
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ノーマライゼーション
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ソロモン
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第13・15・16・17・20・21・22・23・24・26・30回
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バンク-ミケルセン
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第6・12・13・16・23・24・26・30回
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ヴォルフェンスベルガー
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第12・30回
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サリービー
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第16・22・30回
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ニィリエ
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第23・26・30回
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相談援助の理論と方法
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100
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ソーシャルワーク理論
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リッチモンド
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第4・5・7・8・9・10・11・13・14・15・16・17・19・20・23・24・25・27・28・29・30回
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ロビンソン
(&タフト)
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第4・8・21・26・30回
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ピンカス
(&ミナハン)
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第11・21・26・27・30回
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102
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課題中心アプローチ
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リード
(&エプスタイン)
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第15・19・21・24・25・28・30回
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第30回で出題された外国人は以上です。
実は人名にかかわる出題は,第22回以降の現行カリキュラムによる国試では,出題があまりされなくなってきています。
人名そのものを問われるよりもその内容を聞かれるものが多い傾向にあります。
もちろん,人名に関する問題でも得点できた方が良いに決まっていますが,参考書に載っている人名のほとんどは一見さんです。
多くの一見さんは,3回目くらいの出題でようやく正解選択肢にさせてもらえる(常連さんへの格上げ)のです。
一見さんが正解になる場合は,そのほかは常連さんで固められている場合が多いです。
逆の言い方をすると,常連さんは正解になることが多いということです。
今年の問題では,以下がいかにもそうです。
問題28
貧困に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ポーガム(Paugam,S)は,車輪になぞらえて,経済的貧困と関係的・象徴的側面の関係を論じた。
2 タウンゼント(Townsend,P)は,相対的剥奪指標を用いて相対的貧困を分析した。
3 ピケティ(Piketty,T.)は,資産格差は貧困の世代間連鎖をもたらさないと論じた。
4 ラウントリー(Rowntree,B.S)は,ロンドン市民の貧困調査を通じて「見えない貧困」を発見した。
5 リスター(Lister,R.)は,社会的降格という概念を通して,現代の貧困の特徴を論じた。
正解は,タウンゼント
ポーカムとピケティの一見さんで,常連さんのタウンゼントを取り囲んでいるというスタイルです。
ポーカムを見た時点で,多くの受験生は頭が真っ白になったことでしょう。
試験委員が仕掛けたトラップです。
冷静に問題を読めた人はタウンゼントにたどりつけたことでしょう。
「後から問題を読んだら解けた」という典型的な問題です。
後から解けても,試験会場で解けなければならないのは言うまでもありません。
試験会場で解けないのは,試験委員がトラップを仕掛けていることに他なりません。
過去問を何度も解くことの意味は,こういうところに気がつくことです。
夏になれば,各社が出す参考書には,一見さんが載ってきます。
そのあとに問題を解くとどれも見慣れた人になってしまいます。
国試では,どんなに勉強しても知らない問題は出題されます。
それを潜り抜けて,正解をつかむのは,いろいろ推論することが欠かせません。
国試のほとんどの問題は,法制度に関するものです。
一見さんの人名に時間をかけすぎて,本来勉強すべき法制度の部分がおろそかになるような勉強法は絶対に避けなければなりません。
今日の問題を簡単に解説すると
ポーカムとリスターが逆になっています。ピケティは,資産家と中級階級以下の資産格差はどんどん広がっていくと考えました。
しかし,そんなところには答えはないのです。
(2018/12/15追記)
過去問をよくよく見てみれば分かりますが,国試のロジックは確実に存在します。
そこに気がついた人は,勉強がすすんでいる証拠です。本番でも点数が取れることでしょう。
過去問を知識をつけるために使っている人は,合格するのは難しいように思います。使い方が間違っています。
解説文が長い過去問題集は危険です。たった1行の国試問題を長々と解説としていますし,国試に必要ではない情報も書かれている恐れがあるからです。
過去問を使った学習は,国試を解くためのセンスをつけるためのものです。たった3年間の過去問では合格に必要な知識は不足します。それでもなお,過去問を解く意味があるのは,センスをつけることがすべてと言っても良いのではないでしょうか。
知識+センスで国家試験を突破しましょう!!