2018年2月27日火曜日

社会福祉士の国家試験カリキュラム改正について


社会福祉士カリキュラムの改正のスケジュールは当初は以下のようになっていました。

平成29年 検討
平成30年 周知
平成31年 改正

しかし,どうやら1年ずれこむようです。

平成30年 検討
平成31年 周知
平成32年 改正

このようなスケジュールになると,

新カリでの国試は,当初は第32回を予定していましたが,第33回になります。

(2018/12/23追記)
現時点では,まだカリキュラム改正は発表されていません。もしカリキュラム改正は2020年に実施されても,新しい国試は第33回に実施することは難しそうです。そのため,現行カリキュラムでの国試はまだ続くと思います。

(2019/10/01)
新しいカリキュラムによる国試は,第37回から実施されます。
現行カリキュラムによる国試は,第32~36回の5回にわたって実施されます。

https://fukufuku21.blogspot.com/2019/06/37.html

(関連記事)
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/07/blog-post_4.html
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/07/blog-post_3.html
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/07/blog-post_2.html
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/07/blog-post.html
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/06/blog-post_30.html



なお,カリキュラムが変わっても,受験資格はなくなりません。

第31回国試が,現行カリキュラムの最後になるかと思っていましたが,1年ずれて第32回が最後になる可能性が高いです。

実はこのことは第31回国試で合格を目指している人にとっては大きな意味があります。

なぜかと言うと,変更直前の国試では,変更後を踏まえた内容が出題されるからです。

しかし,1年ずれたことで,第32回がおそらく現行カリキュラムの最後となる可能性が高いです。

つまり第31回国試は,第30回と出題傾向に変化はないと考えられます。

前回のカリキュラム改正よりは,今回の改正内容は大きく変化しないと思いますが,1年先延ばしになったことは,とても重要な意味をもつと思います。

私たちチームfukufuku21は,今まで国試で出題された国試問題を良く知っています。

国試は,少しずつ重なって出題されて,少しずつ形を変えて出題されます。

この「少しずつ重なって」というところが重要です。

ゼロベースで出題すると,誰も答えられないおそれがあります。

この「少しずつ重なって」があることで,消去法が使えます。

基礎力を蓄えると,消去法が有効に使えます。

答えは「これだ!!」と分からなくても,消去できる選択肢があると正解にたどり着きやすくなります。

国試はいつもそんな出題方法です。

ちょっと同じで,ちょっと違う。

これが今までの国試問題を見ている感想です。

第31回も第32回も,そして新カリキュラムになると思われる第33回もおそらく一緒です。

現行カリキュラムが旧カリキュラムに変わったときの問題です。

第22回・問題79 ピアソンの積率相関係数に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 相関係数がゼロになった場合は,2つの変数の間にはいかなる関係も存在しない。 
2 それぞれの変数の測定単位(mとcm,円とドルなど)が変われば,相関係数の絶対値の大きさも変化する。
3 変数Xと変数Yに正の相関が,変数Yと変数Zにも正の相関がある場合でも,変数Xと変数Zに相関が存在しないことがありうる。
4 2つの変数の間に相関があれば,どちらが原因となる変数でどちらが結果となる変数であるのかを特定できる。
5 相関係数が大きな値を示せば,2つの変数の間に必ず直接の関連がある。

この問題の布石があります。

第19回・問題60 社会福祉調査で用いられるデータ分析技法に則する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけなさい。
A クロス集計表において,観測値の大小を単純に比較しただけでは,変数間の関連を統計的に検定することはできない。
B 変数の単位を変えると,ピアソンの積率相関係数の値は,変化する。
C クラスター分析は,データを,個々のデータ間の距離に応じたクラスターごとに分類する分析技法である。
D 重回帰分析は,二つの変数の間の関係に限って,その程度を分析することができる。

答えは,Aです。
クロス集計と出題されたら,χ(カイ)二乗検定とセットで覚えておきたいです。

第22回の国試はちょっと張り切りすぎました。ちょっと難しすぎですが,答えは選択肢3です。
あいまい表現に正解多し。

第28・問題87 ピアソンの積率相関係数に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 値は0から1の範囲の間で変動する。
2 2つの変数の因果関係を表すものである。
3 年齢と所得の相関係数は,所得が円単位でもドル単位でも同じ値になる。
4 2つの変数の間に完全な相関がある場合,散布図は円形になる。
5 2つの順序変数の関連の強さを測る指標である。

答えは,選択肢3。変数の単位を変えても,ピアソンの積率相関係数の値は変化しません。

ピアソンの積率相関係数が出題された3回とも,同じ内容のものが出題されて,しかも第28回の問題は,とうとうそこが正解選択肢となっています。

社会調査の基礎は,現行カリキュラムによって加わった科目です。

しかし,科目が新しくなっただけで,出題内容は,その前のカリキュラムかあったものであることが分かると思います。

<今日の一言>

カリキュラムが変わっても入れ物が変わるだけで,問題そのものが変わることはありません。

先述のように,ゼロベースで出題すると誰も解けなくなってしまうからです。

国試はいつも

少しずつ重なって出題されて,少しずつ形を変えて出題される

カリキュラムが変わらなくても,同じことが行われています。

おそらく,今日の問題の第28回のものを見た人も,過去3年の中にはピアソンは出題されていないので,「今年の傾向は変わったね」と思ったことでしょう。

しかしちっとも変わっていません。

早ければ第33回の国試でカリキュラムが変わりますが,恐れることはまったくありません。

基本事項は,いつの時代も同じ。

基礎力をつけることが国試突破のために一番重要なことです。

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