社会福祉士の国試は,2月に実施されます。
夏と秋の2つの季節を通り越して,受験の日を迎えます。
秋から勉強する人が圧倒的に多いはずです。
国試は,7割は不合格になります。
他の人よりも一歩差をつけることが合格する3割に入ることにつながります。
それを考えると,夏はとても重要な時期です。
夏を制する者が国試を制する!!
受験では,よく使われる言葉ですが,社会福祉士の国試も同じです。
3か月勉強で合格できるという幻想を持つ人が多いので,夏が重要なのです。
さて,今回もグループワークを続けます。
グループワークは集団力学の活用です
グループワークは,メンバー間の相互作用を活用して援助していきます。
それでは今日の問題です。
第28回・問題98 集団を活用したソーシャルワーカーの相談援助に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 展開の開始期では,グループ内での行動は制限せずに援助を行う。
2 グループメンバーへの援助では,各個人の特性を認識して,個別化したアプローチを活用する。
3 グループメンバー間の暗黙の葛藤に対しては,それが表面化しないように働きかける。
4 プログラム活動では,全員が同じ動きを行うことを優先するように求める。
5 サブグループへの対応は,グループ全体への影響を考慮せずに行う。
グループワークの注意点は,プログラム活動が目的ではないことです。
プログラム活動は,クライエントの抱える問題を解決するための手段にすぎません。
この問題の答えは,
2 グループメンバーへの援助では,各個人の特性を認識して,個別化したアプローチを活用する。
です。
3 グループメンバー間の暗黙の葛藤に対しては,それが表面化しないように働きかける。
4 プログラム活動では,全員が同じ動きを行うことを優先するように求める。
5 サブグループへの対応は,グループ全体への影響を考慮せずに行う。
これらは,集団力学(グループダイナミクス)を活用した援助にはなっていません。
1 展開の開始期では,グループ内での行動は制限せずに援助を行う。
開始期
メンバーが集まって,グループワークを始める前までの段階です。
この段階には「契約」と呼ばれるワーカーの役割などをメンバーに説明する段階が含まれます。グループワークでの約束事などを確認し,援助関係をつくります。
<今日の一言>
今日の問題は,難易度は決して高くはないでしょう。
しかし,勉強不足の人が簡単に正解できる問題ではありません。
こういった問題を確実に正解することが,合格するには極めて重要です。
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