社会福祉士の国試を今一度確認しましょう。
【特徴】
・1問1点で150問,150点満点。
【合格基準】
・19科目,18群のすべての群で得点がある。
・合格ラインは,6割程度。
社会福祉士の国試を何度も受験している方には,「こんなことは知っているよ」と言われそうです。しかし,これらは,国試合格のための大きな条件が含まれています。
すべての問題は,1問1点です
社会福祉士の国試は,1問間違っても1点のみ。1問の点数に差がある試験ではありません。
初めて受験される方は,今の時点ではまだ何が得意か不得意かは分からないかもしれません。
とは言うものの,勉強している過程で,覚えにくいと思うことはあるでしょう。
本当に覚えにくいものは,捨ててしまうという勉強方法もあります。
それができるのは,1問1点だからです。
覚えにくいものに時間をかけるよりは,しっかり覚えるものを一つでも二つでも増やすことができたら,合格には近づきます。
参考書は,試験が実施される科目の順番に並んでいます。
「人体の構造と機能及び疾病」はさておき,「心理学理論と心理的支援」「社会理論と社会システム」「現代社会と福祉」の3つは,多くの受験生を悩ませる科目だと思います。
そこの理解に時間をかけて,いわゆる「専門科目」と呼ばれる,「社会調査の基礎」以降の科目を勉強する時間がなくなる,というパターンに陥る人は,不合格になりやすいです。
なぜなら,専門科目は比較的点数を取りやすい科目が多いからです。
もちろん,苦手を克服して合格をつかむのが一番ですが,時には「1問は1点」だと割り切ることも必要です。
合格基準は,6割程度
合格基準は6割程度に設定されています。
年度によって,実際の点数は上下していますが,それは問題の難易度によるものであって,受験者の実力が必要なのは,6割程度です。
7割や8割ではありません。
6割程度は,学校の絶対評価では,5段階では「3」です。
7~8割は「4」の評価です。
オール4を目指す場合は,苦手科目があった場合は,5が取れる科目がなければなりません。
国試で言えば,その科目が満点ということになります。
オール3であれば,1や2があっても,4の科目が同じ数あれば,挽回できます。
国試で言えば,1~2点の科目があっても,4~5点取れる科目が同数あれば,挽回できるのです。
その決め手になるは,最もボリュームのある「相談援助の理論と方法」です。
この科目は21問もあります。
この科目で満点近い点数が取れれば,1~2点の科目があっても,十分挽回可能です。
逆にこの科目で10点程度しか取れないということになると,合格は極めて厳しいことになります。
1問は,すべて1点です。
難しい問題でも比較的簡単な問題でもすべて1点です。
バランスの取れた学習が大切です。
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