現在のカリキュラムに国試は,第22回から実施されています。
国試の文字数から以下のように区切ることができます。
回
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推移
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試験委員長
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文字数
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22
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模索期
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古川孝順先生
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52,680
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23
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↓
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↓
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56,175
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24
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↓
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↓
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58,396
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25
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↓
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↓
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57,353
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26
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充実期
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坂田周一先生
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50,625
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27
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↓
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↓
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47,552
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28
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↓
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↓
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41,702
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29
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↓
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↓
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39,884
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30
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↓
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↓
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38,068
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31
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転換期
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42,065
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32
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↓
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新・委員長
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33
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↓
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34
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移行期?
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35
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↓
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36
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↓
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本来は,第33回くらいに新カリキュラムによる切り替わる予定でしたが,ずれずれになり,現在のところ(2019年6月)でも,カリキュラムが発表されていません。
そのため,いつ新しいカリキュラムでの国試になるのかがさっぱりわかりませんが,少なくとも数年は現行カリキュラムでの試験は続くことは確実です。
第31回国試から第32回国試を予測する
第31回は国試の文字数が増えたことに着目してください。
第31回国試だけなのか,今後も継続されるのかは第32回国試が実施されないとわかりません。
しかし確実に潮目は変わっています。
第26回国試からの試験委員長は,立教大学名誉教授で現在は西九州大学教授の坂田周一先生が務めていました。
しかし,いよいよ第32回から試験委員長が変わるようです。
毎年,坂田先生のホームページに注目していますが,今年の略歴には
2012 社会福祉士国家試験委員会委員長(~2019)
と記載されています。
昨年までは「~」となっていました。
これによって,試験委員長をおりたことがわかります。
いよいよ転換期に入ると思われます。
とは言っても,これは試験委員の話です。
実際の国試が過激に変化することはないと思います。
しかし,何かがわかることは確実です。トップがかわるということはそういうことを意味します。
思い返せば,過去最低の合格基準点となった「魔の第25回国試」を境に,国試は大きく変わっていきました。
その前の委員長だった古川孝順先生は,第19回から努めていましたが,第25回で退きました。第26回からは坂田政権になります。
今回の試験委員長交代は,変わった引き金は,追加合格を出したということなのかもしれません。
国家試験の試験委員長は,8月上旬に発表されます。
第32回を予測すると,勉強不足の人はますます厳しい試験になるのではないでしょうか。
文字数が長くなればなるほど,問題文の表現を変えることができるので,勉強不足の人は対応が難しくなるからです。
問題文が短ければ,正解しやすくなるのは,合格基準点が過去最高となった,第31回を考えるとわかります。
第30回と第31回では出題傾向はほとんど変わっていません。
しかし,合格基準点は10点ダウンの89点となりました。
第31回は,文字数を減らす傾向はそのままにして,問題文の中にでたらめな選択肢を入れて受験生を混乱させる戦略が取られると予測しました。
しかし,予測に反して,文字数を増やすという手に出てきたのです。
でたらめ選択肢を出題することを嫌った委員が多かったのでしょう。
第31回のもう一つの傾向としては,第31回国試では全部入れ替え問題が見られたことです。
全部入れ替え問題は,セット入れ替え作問法で作られた問題よりも勉強した人にとって点数が取りやすくなります。
セット入れ替え作問法とは?
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/01/blog-post_5.html
社会福祉士国試は,合格率が30%,合格基準点が90点を目指してきました。
今後もその傾向が続くかどうかはわかりませんが,今までと同じラインを目指していて,第31回のような出題がされたら,勉強不足の人は合格するのは難しい試験に一層なります。
逆に,勉強した人は点数が取りやすくなります。
つまり,受験生の二極化が進むことになります。
それはダメ学校と優秀な学校の差がはっきり表れることにもつながります。
3か月勉強で合格できるというのは,幻想です。