2019年6月9日日曜日

スーパービジョンの機能~3つの機能のまとめ

スーパービジョンの機能

教育的機能 価値・知識・技術を教える機能
支持的機能 スーパーバイジーを支える機能
管理的機能 スーパーバイジーの業務を管理する機能

これらは,表現の違いはあっても,どの参考書にも同じように書かれているものです。

スーパービジョンについての記述がない参考書があったとしたら,それは合格するために使えない参考書だと言えます。

なぜなら

スーパービジョンの出題はほぼ100%

だからです。

しかし,正しい理解することが国試合格に必要です。

換言すれば,誤った勉強法では合格はつかめません。

正しい理解とは,国試で得点できること
誤った勉強法とは,国試で得点できないこと

勉強時間は,国試の点数には直結しません。

なぜなら,覚え方がそれぞれ違うからです。

私たちは,何度も受験している方は,勉強法にミスマッチがあると考えています。
例えば,
国試で「しっかり覚えていなかったから,点数が取れなかった。」と思った場合,どのようにしっかり覚えていなかったのかを考えないと,
ひたすら,スーパービジョンの3つの機能を丸暗記しようと思うかもしれません。

国試で丸暗記が通用するのは,法制度に関する問題です。

国試に通用する正しい理解とは,「●●とは,例えば▲▲のこと」と何となくでも思えるようなことだと結論づけています。

国試は応用力が必要な問題はほとんどありません。しかしもし応用力が必要だと感じるなら,

「●●とは,例えば▲▲のこと」と何となくでも思えるような理解がなされていないことに起因しているのではないでしょうか。

このような理解をするためには,実際に出題された国試問題が手がかりになります。


知識は使えるものでなければ,意味がありません。

現在の社会福祉士の国試問題は,それを目指した問題が作られるようになってきています。

それでは,今日の問題です。

第27回-問題114 事例を読んで,スーパーバイザーが対処するに当たって,優先すべき機能として,より適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
 Mさんは,難病の症状悪化のため入院中である。早期の退院を望んでいるが,主治医は入院治療を継続する予定だという。担当のAソーシャルワーカー(社会福祉士)は,家に残してきた幼い子どもが心配でたまらないというMさんの気持ちに共感し,自宅療養の可能性を探ることを院内カンファレンスで提案した。ところが,医療スタッフと激しく対立したままカンファレンスは終わり,Aソーシャルワーカーはオフィスに戻ってきて医療スタッフを感情的に批判している。また,スーパーバイザーの元には,Mさんの主治医からAソーシャルワーカーに対するクレームが寄せられた。
1 開発的機能
2 教育的機能
3 媒介的機能
4 支持的機能
5 管理的機能

この問題は,秀逸だと思います。

あまり質がよくないと思う問題は,難解な言い回しで受験者を混乱させるものです。
それに比べると,この問題は,知識があることが必要であることに加えて,その場面設定を正しく判断しなければならないものです。

「●●機能は,▲▲である」
とひたすら丸暗記するような勉強をした人は,この問題を前にして混乱したに違いありません。
そして,支持的機能を含めて解答したのはないでしょうか。

前回は,以下のように書きました。

スーパービジョンの機能は,3つありますが,どれが優先されるということはありません。
その場面によって変わりますが,底辺には支持的機能がなければなりません。
ストロングタイプの指導方法もありますが,それであっても支持的機能が底辺になければ,スーパーバイジーの信頼は得られないからです。

クライエントを悪者にして,スーパーバイジーを一方的に認めることは「支持的機能」ではありません。それは「人気取り」といいます。

スーパービジョンの支持的機能は,スーパーバイザーの置かれた立場に理解を示すことにほかなりません。
そのうえで,その先の方法が生み出されます。


さて,この事例です。

先述のように,3つの機能は,どれが優先されるというものではありません。

支持的機能は常に底辺にあります。

スーパービジョンの機能は,3つありますが,どれが優先されるということはありません。

その場面によって変わりますが,底辺には支持的機能がなければなりません。
ストロングタイプの指導方法もありますが,それであっても支持的機能が底辺になければ,スーパーバイジーの信頼は得られないからです。

クライエントを悪者にして,スーパーバイジーを一方的に認めることは「支持的機能」ではありません。それは「人気取り」といいます。

スーパービジョンの支持的機能は,スーパーバイザーの置かれた立場に理解を示すことにほかなりません。
そのうえで,その先の方法が生み出されます。

この事例の場合は,ワーカーの思いが先走っていて,周りが見えない状況になっています。
支持的機能は,常にスーパーバイザーに求められます。
Aワーカーに対して,「あなたのMさんを思う気持ちは分かります」といった枕言葉が必要です。

その言葉は枕言葉にするにしても,「今のAさんの態度には共感することはできません」
「なぜ主治医は入院治療が必要だと考えるでしょう」
「Mさんが入院治療に専念できるように,一緒に考えてみましょう」
といったやり取りがなされることでしょう。
これが教育的機能です。

もう一つの問題は,カンファレンスで対立したままで帰ってきたことです。

スーパーバイザーの管理的機能は,多職種連携にも適応されます。
Aワーカーの情報だけではなく,主治医も含めてチームで力が発揮できるように働きかけることが必要です。

ということで,正解は,教育的機能と管理的機能です。


<今日の一言>

Aワーカーは,熱い気持ちをもったワーカーです。

仕事に情熱を持つことは,悪いことではありません。
しかし,医療機関で治療方針を決めるのは,医療職です。

医療に関する専門家ではないワーカーが医療に関する判断をすることは極めて不適切です。

医療ソーシャルワーカーの業務指針に従えば,

ワーカーの業務は,受療援助です。

Mさんは,子どもが心配なので早く退院したいと思っています。

Aワーカーが考えなければならないのは,Mさんが子供のことを心配せず,治療に専念できるように援助することです。

1 件のコメント:

  1. 先日はお返事をありがとうございました。

    お聞きしたいことがあるのですが、
    チームfukufuku21さんは「社会福祉士を目指す方のサポーター集団」とのことで、
    こちらの学習部屋を運営されていて、
    (我々)受験生にとって強い味方で、とても素晴らしい活動をされていると思っております。

    私のような者でも、
    何らかの形でチームfukufuku21さんの集団に関わらせていただくことは可能でしょうか?
    私も、何か受験生の方のお役に立てればと考えております。

    このようなことをお聞きして失礼とは存じますが、
    一度質問させていただきたいと思いました。
    どうぞよろしくお願いいたします。

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