2019年6月20日木曜日

グループワークの観察効果と普遍化

グループワークは,集団力学を活用した援助方法です。

集団力学(グループダイナミクス)による効果

観察効果
他のメンバーを観察することによって,様々に考えることができることです。

普遍化
抱える問題を共有することです。

他にもあると思いますが,国試で出題されているのは,この2つです。

それでは今日の問題です。

第25回・問題116 V市社会福祉協議会では,要介護高齢者の在宅での介護を行う主たる家族介護者を対象としたグループワークを実施している。グループに参加した主婦のHさん(55歳)は,介護に協力的でない夫への不満や,自らが介護している義母との関係にストレスを抱えていた。しかし,自分のことを他人に話すのは恥ずかしいという気持ちや,こんなことで悩んでいるのは自分だけだという思いもあって,黙っていることが多かった。しかし,他のメンバーが自分と同様の悩みや協力してくれない家族の愚痴などを話すのを聞いているうちに,自分自身の状況に対して違った見方でとらえることができ,自分の気持ちや状況について,自ら表現して話をすることができるようになった。次のうち,Hさんの変化に見られるようなグループ活動の効果を表すものとして,正しいものを2つ選びなさい。

1 波長合わせ
2 観察効果
3 集団思考
4 感情転移
5 普遍化

またまた「波長合わせ」が出題されています。

波長合わせは,準備期にワーカーがクライエントの抱える問題,環境,行動特性をワーカーが事前に把握するものです。
グループワークの援助過程の中では,理解しにくいものだと思うので,注意しましょう。

答えは,「観察効果」と「普遍化」です。


観察効果は

他のメンバーが自分と同様の悩みや協力してくれない家族の愚痴などを話すのを聞いているうちに,自分自身の状況に対して違った見方でとらえることができ,自分の気持ちや状況について,自ら表現して話をすることができるようになった。

の部分です。


普遍化は

自分のことを他人に話すのは恥ずかしいという気持ちや,こんなことで悩んでいるのは自分だけだという思いもあって,黙っていることが多かった
 ↓  ↓
自分と同様の悩みや協力してくれない家族がいる

の部分です。



<今日の一言>

今日の問題は,かなり難易度が高いものです。

「観察効果」も「普遍化」は,その後出題されてことはありませんが,一応覚えておきたいです。

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