初めて受験する人にとっては,この6割程度がどのくらいのレベルにあるのかが実感できないと思います。
6割は,学校の絶対評価の場合では,5段階では「3」程度です。
4や5ではありません。
決して深い知識が必要な出題はされていません。
出題範囲に示されたものを一つひとつ確実に覚えていくと,合格基準点を超える実力がつきます。
さて,今日からスーパービジョンを取り上げていきます。
国試で出題されているのは,「機能」と「種類」です。
圧倒的に出題が多いのは,そのうちの「機能」です。
スーパービジョンは,以下の3つの機能があります。
教育的機能 価値・知識・技術を教える機能
支持的機能 スーパーバイジーを支える機能
管理的機能 スーパーバイジーの業務を管理する機能
簡単に書けばこのようになります。
これを丸暗記するだけで,具体的なイメージをもって理解することをしなければ,得点するのは難しいと言えます。
スーパービジョンは,具体的なものだからです。
さて,今日の問題です。
第30回・問題115 ソーシャルワークにおけるスーパービジョンに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 スーパーバイジーとは,スーパーバイズする立場の人のことである。
2 意義は,クライエントへのサービスの質,専門性の質などの維持・向上を図るために業務の振り返りを促すことにある。
3 管理的機能とは,スーパービジョン関係を用いて情緒的・心理的な面をサポートすることである。
4 支持的機能とは,専門職としての知識・技術・価値・倫理を習得させることである。
5 教育的機能とは,業務遂行が可能になるように適切な業務量などに目配りすることである。
この問題は,今までで最も合格基準点が高かった第30回の問題です。
現在の国試は,
勉強した人は解ける
勉強が足りない人は解けない
といった特徴がありますが,この問題はいかにもこのタイプの問題です。
国試で合格するためには,こういっ問題を確実に正解することが大切です。
逆にこういった問題で正解できないと合格は難しいと言えます。
正解は,選択肢2です。
2 意義は,クライエントへのサービスの質,専門性の質などの維持・向上を図るために業務の振り返りを促すことにある。
スーパービジョンを勉強すれば,どういったものであるかが必ず学ぶことでしょう。
しかし,勉強不足の人は,スーパービジョンが何かがわからないので,正解するのが難しいのです。
そのほかの選択肢も見てみましょう。
1 スーパーバイジーとは,スーパーバイズする立場の人のことである。
スーパーバイズする人はスーパーバイザー
スーパービジョンを受ける人はスーパーバイジー
勉強が足りない人は,スーパーバイジーという言葉が聞き慣れないので,こういった選択肢であっても,正解なのか,間違っているのかわからないのです。
3 管理的機能とは,スーパービジョン関係を用いて情緒的・心理的な面をサポートすることである。
4 支持的機能とは,専門職としての知識・技術・価値・倫理を習得させることである。
5 教育的機能とは,業務遂行が可能になるように適切な業務量などに目配りすることである。
この3つは,入れ替えになっています。
管理的機能
→ 業務遂行が可能になるように適切な業務量などに目配りすること。
支持的機能
→ スーパービジョン関係を用いて情緒的・心理的な面をサポートすること。
教育的機能
→ 専門職としての知識・技術・価値・倫理を習得させること
正解である選択肢2を正解にすることは簡単ではありませんが,他の選択肢を確実に消去することで,正解選択肢である
意義は,クライエントへのサービスの質,専門性の質などの維持・向上を図るために業務の振り返りを促すことにある。
が残ります。
<今日の一言>
今日の問題は,勉強している人にとっては決して難しいものではありません。
しかし,こういった問題であっても,確実に正解するのは簡単なことではありません。
なぜなら。正解となった選択肢は,考えさせる内容だからです。